ラストワンマイルとかドライバーファーストな感じのネット通販商品配達やネットスーパー商品配達の宅配系ドライバー軽貨物会社は多忙故なのかは分からないが、経済の上流にいる荷主企業に於ける販売価格戦略やそれに影響する輸入関税や特恵や貿易諸掛りのことなど頭の中にないだろう。
日本人は衣食住のほとんどを輸入に頼っている。日本は先進工業国なので日本人はエネルギーを多く消費する生活をしていながらも日本はエネルギー資源に乏しく、エネルギー資源の9割が輸入依存とも言われている。
そのような状況の日本で軽貨物ドライバーが運んでいる荷物が何かである。
ここで言う荷物が何かとは魚とか肉とか衣類や家電とかそういうことではなく、荷物が60サイズとか100サイズとかそんなことでもない。
軽貨物ドライバーとして運ぶ荷物が商品ならば売り手側の様々な工夫を見抜けるかというテーマである。
運ぶ荷物が市場の他社商品よりも技術的に劣っていたとしても荷主企業や販売者の営業担当や製造担当が自身の商品への自信や熱意をしっかりと表して納品先などお客様の心を動かして出荷配送される荷物なのかどうかである。
荷物を運ぶ側としては大事な荷物であろうと大事な荷物ではなかろうと荷物が何かを知ろうとすることで配送リスクの注意喚起になる。
気付きということである。
黙っていてもバンバン売れて出荷されている感じの荷物も確かにあるがそれはそれでお客様ニーズをきちんと捉えて製品開発や商品開発がなされて市場ニーズとマッチして支持されているからである。
そういう荷物は配送ルーティンができあがっているのでああだこうだよりも順応する方が正しい。
そこで気になるのは偶にしか出荷されずに売れない商品についてだが、市場ニーズとマッチしておらず買い手より売り手が売りたいものを提供しているパターンも多い。
FOBしかり、CIFしかり、乙仲費用しかり、国内販売に於ける標準小売価格しかり、国内代理店価格しかり、半値八掛け、外口銭や内口銭、諸々を荷主企業はどのように事業で通用させるのか、それが通用するのか、そういった目線で多くの軽貨物会社は仕事をしていない。
荷主企業の販売価格戦略がうまく成功して上手な利益を出すことは我々のような軽貨物運送業者の収益安定に繋がる。
軽貨物ドライバーの仕事が存在して我々ドライバーが飯を食えているのでドライバーとして労働したからではなく、荷主企業がモノを売ったり買ったりすることで利益を出そうとしているビジネスが存在しているからである。
子供のころから何十年間も毎週テレビで放映されている家族マンガでも酒屋さんの配達ドライバーがお酒のことに関して全くの素人には見えない。
果たして現実はどうなのか。
確かにビジネスセンスがなくても軽貨物ドライバーになれるし軽貨物ドライバーとして通用もする。
だが、自身が担当して運ぶことになる製品や商品の原産地や関税や特恵なども理解して配送仕事の取捨選択をする意識も大切と言える。
日本人が消費者として日本製が良いと口にする価値と開発途上国で作られた良いモノの価値はビジネス上では大きく意味が違う。
輸出者である開発途上国は特恵関税により輸出量が増加して外需で経済発展が期待できるが、その逆で経済が衰退している日本側からすると、昭和から平成、平成から令和、時代の流れで世界では特恵卒業国が増えていることからも今まではバンバン出荷されていた商品でも日本では儲けにくい商品が徐々に増えてくるかも知れない。
商品の送料にもそれは響くであろう。