弁当の配達員や出前の配達員のような仕事では様々な理由で荷主と顧客で約束した納期を配達員は守れなくなることがあります。勿論、理由はドライバー起因ではない製造遅れや配車マンの配車最適化の能力不足が大半と言えますが、納期遅延の問題が拗れるのは納期が遅れること自体ではなく報連相を怠ることが原因です。
納期遵守率は100パーセントで。
メーカー荷主、商社、問屋、小売店、モノが動くビジネスにおける商習慣での納期は自社や自身の努力だけではどうしようもないことが時々あります。
荷主と顧客が約束した納期で間に合うように商流の取引ルートでは、製造をしたり、在庫をしたり、入出庫をしたり、発送をしたり、一連の作業をしながら約束通りの納期で荷物を顧客に届けようと行動します。
先日、昼食でハンバーガーのデリバリーを最短納期が1時間30分後という混み具合だったものの了承をしてネットで注文をしたところ、注文して1時間30分後、約束の配達時間になってから店舗スタッフより「ただいま注文が混み合っててあと20分か30分ほど遅れますが宜しいですか」という電話連絡がありました。
これは徒歩で5分くらいのところにあるハンバーガー屋にネット経由でデリバリーを依頼した際の出来事でした。
注文時、配達に1時間半かかる状況だったので注文するかを迷いましたが気分はもうハンバーガーだったので時間待ちを我慢し、昼食時にお腹を空かせながら1時間半を待ちに待ったところで電話が鳴り「ただいま注文が混み合っていてあと20分か30分かかります」という着電だったわけです。
配達員から配送中に場所が分からないから遅れるとかではなく、店舗スタッフからの電話です。
大人気なく怒りました。
空腹であることやファーストフードで2時間以上の待ちは無いなという点もですが、ならば、もっと早くに遅延の電話をよこせと。
便利な世の中が悪いのか、横着して近場なのに出前をするが悪いのか、それともネットで注文を何でもかんでも受付する売主が悪いのか、そこで働くスタッフの働く意識が欠如しているのか、ともあれ、売主側が約束した納品時間を多忙理由で言い訳をするのはよくありません。一つ一つの注文を甘くみてはいけません。
もちろん、希望の納期で商品を注文できないことは普通にあります。売主から約束された納期であろうとも納品自体がイレギュラーで遅れることもシステムやヒューマンエラーであり得ることです。
ただし、納期遅れが判明したタイミングで速やかに顧客へ連絡を行わないのは売主として非常に駄目です。
遅れの状況が判明したら作業を急ぐことより、まず先に、顧客など荷受人に対して納期が遅れるかも知れないという事実や可能性のことや納期遅れが確定した旨をいち早く連絡する必要があります。
今回はハンバーガー屋の電話応対スタッフでは話にならず、責任者である店長に電話で話を伺うと私に対してそれでも遅れる理由を説明しようとします。
店長が言うには「バイクの配達員が道路渋滞で店舗への集荷戻りが遅れており」と電話で言うので私は更に怒りました。
- そういうことではない
現実問題、弁当の配達や出前みたいな時間に追われる忙しい仕事は人気が薄いので配達員が少ない状況は繁盛して忙しい店舗ではどこも一緒のことですし、学生バイトさんなどの数少ない配達員は死に物狂いで配達を頑張っているわけです。
そういった状況下で会社方針上なのか、受注生産のキャパ以上だったり、配送能力のキャパ以上であろうとも業績優先で顧客に遅延で迷惑をかけようとバンバン注文を受けていることもですが、それよりも従業員や責任者が顧客への「報連相」を怠っていることはかなり問題だと感じます。
責任者に対して、いつ遅れの状況が判明したのかと問うと「今」と答えるわけですがそれは明らかに責任者の嘘、または、場当たりのそういう遅延連絡が慢性化や日常化していると思われます。
なお、15分で届く距離ですと出発想定時間はどんなに遅くとも納期の15分前、これに製造タイムを考えても20分前には約束した納期に遅れが生じることは想定や確定していたと思われます。
- 遅れますの連絡は非常に駄目なタイミングである
- 遅れるかも知れないという連絡が正しいタイミング
今回のハンバーガー屋では配達が遅れるかも知れないと推測や判断ができたのは配達納期の30分前であり、30分前には速やかに遅れる可能性の連絡をするべきだったと言えます。
多忙時こそ大切である責任者によるサービス管理能力とスタッフへの指導力も欠如しています。
報連相を徹底することで業務のスピードは上がるものです。
企業規模を問わず、メーカー荷主、商社、問屋、小売店、全体や各店やグループやチームであろうと、何が、いつ、どうなったかを仕事上で共有することと共有するタイミングを適正化しておくことは事業展開でとても大切なことです。
各自には担当する作業より常に報連相を優先させる業務連携をしておくと多忙時であろうともタイムラグが生じなくなりイレギュラー時もスムーズに仕事やプロジェクトが進行します。
報連相を怠ると全体の生産性を下げることになります。
もちろん売上や利益にも影響しますし、クレーム応対が後手に回れば謝罪で時間を割くことになります。
この辺りのことはメーカー荷主の立場で仕事経験のある人ならば自然と意識していることかと思われますが、一つの売上、顧客一人一人を優先する仕事そのものが如何に大切なのかを感じさせられました。
軽貨物配送の仕事における報連相の徹底は軽貨物ドライバーの仕事を業務請負している本人がきちんと業務を熟しているという事実を取引関係者に知ってもらうことにもなり、それは評価にもつながります。
報連相のタイミング、報連相を怠らない、この基本のキホンによって周囲から信頼を寄せるようにもなります。