軽貨物配送の仕事で東京都内のビル内オフィスへ荷物を納品する際、エレベーター内のミラーで自分の姿をふと見たとき、自分の格好や姿に違和感と危機感を感じました。ミドル層やシニア層の軽貨物ドライバーならば一度は感じた事のある経験かも知れません。
軽貨物の仕事であろうとも、都内のオフィス街で働くビジネスマンであろうとも、真のエリートはキャリアも関係なく、様々な仕事環境下であろうと順応する能力で自分の生きていく道を構築していくチカラを持っています。
世の中、みんながエリートだと大変な競争社会になってしまいますが、あれヤダ、これヤダ、儲かる儲からない、これできない、これやらない、こういったレベルの事を口に出して言う人たちがいるからこそ、真のエリートは引き立つ訳でもあります。
私は仕事の姿勢は全てがお客様ファーストであるべきと信じています。
なお、まだヤング層の20代から30代では何をどう偉く頑張っても背伸び感が目立ちますが、40代のミドル層やシニア層になると真のエリートは「どこかが違う」ようになり、接すると一目で差が分かるようにもなります。
目つき、顔つき、背格好、言動、やはり大人な感じです。仕事柄、海外企業や日本全国の上場企業や地方のお客様まで若い頃から幅広い取引先と付き合いがあったので、当時もですが、ミドル層やシニア層になったエリートが頼もしい存在であることを今でも深く理解でき、諸先輩を尊敬しています。
やはり、仕事の楽しみ方をマスターしている人は芯が強いです。
エリートはどんな内容の業務であろうと自分の誇りを持ちつつ仕事に挑みますが、真のエリートのモチベーション維持力こそ能力の差と言えます。
千葉県で見かけるミドル層の軽貨物ドライバーは、紳士的な方や、淑女的な方は、非常に数少なく思います。
勿論、人としては気さくな方も多く、それぞれの役割で仕事をされています。
また、20代や30代のヤング層の軽貨物ドライバーに関しても道路の路肩で停車している軽貨物車をよく見かけますが、その黒ナンバーの軽バンの荷台にはネットスーパーのような荷物が満載だったり、通販会社の荷物が満載だったり、こういう状況におかれている若いドライバーの背中を眺めてしまうと、妙に、卑屈に感じることもあります。
勿論、軽貨物ドライバーでも、ネクタイ族のサラリーマンでも、きちんと自分の仕事ポジションを持った人物ならば身なりや背格好の見た目はどうであれ、稼ぎ自体は決して悪くもないことでしょう。
私自身は都内のオフィスで20年以上、拠点でデスクワークし、本革の役員椅子に毎日座り、今思うと、踏ん反り返っていた時間が少し長かったと戒めています。反面、飽き飽きしていた自分の実力もそこにありました。
異色な軽貨物ドライバーの仕事とは、毎日の拠点があるようでありません。毎日運転しながら季節を感じ、行事を感じ、納品先でも明るい人と接したり、励みになる楽しいシーンが多いのも事実です。
季節感のない、ぬくぬく育ちのデスクワークとは環境は大きく違います。どちらが良いなどは分かりません。
正直なところ軽貨物で難しい仕事などありません。覚えれば答えのでる仕事ばかりですので頭は使いません。ビジネスマンのように答えのない仕事に常に挑むようなことは無いため、ストレスは非常に少ない筈です。
私は外国企業との取引や交渉や国際的な商習慣を学びながらも、国内の商社や問屋への営業指導、勉強会の実施、取引先営業マン同行や技術指導、そして輸入貿易から倉庫管理や在庫入出庫管理や全国配送手配、ネット通販ウェブ構築など全般を実践してきたため、全国の取引先で会社上層部の方から新入社員の方まで色々と接してきました。
こういった面倒な仕事の中では共通してとても大切なことあります。
実は、その靴、そのスーツ、そのシャツ、そのネクタイ、ビジネスマンは身なり服装の大切さを理解しなければなりません。
決して高級である必要はなく、単なる格好付けですが、これもビジネスシーンでは大事なことです。
できるビジネスマンは自己認識して毎日を生き抜いているわけで、偉そうな態度をとるのも仕事です。
威張って見える姿勢で仕事をするのも役割です。
これからの時代、軽貨物ドライバーであろうとも、プロ意識を持ちつつ自己認識をして、指示を受け、指示を守り、仕事報告任務、業務遂行を的確にするべきでしょう。
配達が終われば良いというわけではありません。
現実は、ミドル層やシニア層の軽貨物ドライバーは社会人として若者の茶髪ピアスやタバコとまではいかないものの、髭やタバコや怠けなど少しズッコケている人が多いのも事実ですが、目つきと顔つきと身なりを見直しさえできれば、ヤング層にはない紳士な姿勢で頑張れる能力を誰しも持っているはず。
軽配送ドライバーがお客様に役立つというサービスは、運転スキルだとかスピード納品だとかそういったことではなく、愛想や親切、こういった自己意識の高さがポイントとなる事でしょう。