個人事業主での軽貨物の仕事は楽しくあるべき、何でも挑戦すべき、自分でできる戦術をきちんと持ち、気の合う仲間と自分たちでできる営業戦略を練る、まさに最高です。これを得るためには寝る暇もないくらい仕事をします。
千葉県の配送現場で出会う軽貨物ドライバーと雑談をしたり、朝、昼、晩、深夜、私はスポット案件や定期案件ごとで異なる軽貨物ドライバーと面識を作り、それぞれの時間帯でそれぞれ異なる配送現場で納品作業を共にする機会を得た軽貨物ドライバーとも雑談をしていて感じますが、個人事業で軽貨物配送ドライバーの職を選ぶ人は「なんでも一人でやりたい性格」の人が多いような気がします。
良くも悪くも、ザ・個人事業主です。
配送の仕事は誰のためにしているのか。
個人事業主だからといっても露骨に自分のために仕事をしているだけのような軽貨物ドライバーは評価が有りません。誰もそれを指摘すらしません。
居心地が良い特定の荷主様の仕事にぶらさがっているような個人事業主軽貨物ドライバーも事業主として全く話になりません。もちろん、それすら誰も教えてはくれません。
本来、個人事業主だからこそ、商売上の敵も味方もハッキリすることができますから、如何にして、身体一つでハンドルを握って稼ぎながら戦略と戦術を絞り込んでいるのかが安定性と飛躍の余韻をバランスすることでしょう。
事業は仕事ではないので、何か困ってから戦略と戦術を考えているようでは全く駄目です。多くの個人事業主軽貨物ドライバーがこのレベルです。
常日頃から自分流で考えに考えた多くの営業パターンの戦略と戦術を、いざという攻め時に、その選択肢から絞り込まなくてはなりません。
段取り七分、仕事三分。
それでも、成功が続くのか、失敗するかは誰もわかりません。自信があり、成功していても、それが維持できなくてはなりません。事業です。
如何にして、特化しなければ勝てないでしょう。資金力や人脈や実力もないのに副業に手を出したりはかなり悪いパターンの人ですが、特化さえすればあとは、仕事であり、事業であり、所詮は内容を濃くして稼げればよいだけなのです。
なんでも一人でやりたい性格の軽貨物ドライバーは一見するとマルチで優秀に感じますが、実はそういった自信過剰気味のドライバーほど対外的に見ると失敗のリスクを減らすチカラは備わっていないワンマンタイプの軽貨物ドライバーだと見られることがあるでしょう。
ただし、仕事のできる軽貨物ドライバーはそういった自分の弱点もわかっていて、少数精鋭でのチームワークもしくはグループワークが大事だということを理解しています。
そのため、同じレベルの責任感を持つ者同士で気の合う人と一緒に仕事をすることがポジティブな発想の源となり、色々なシナジー効果を生むことも分かっています。
軽配送仕事はボランティアではなくお金のためですが、恐らく、できる軽貨物ドライバーはお金以上の何かを得ようとしています。仕事が早い遅いは二の次です。
もちろん、上級の軽貨物ドライバーは仕事が無くなる恐怖も知っていますし、仕事を探すことの難しさも知っていますし、取引先への感謝もわかり、取引先への妥協も嫌味もあり、配下ドライバーのことも深く気にかけて毎日仕事をしています。
正直、倉庫スタッフがミスしようと、ドライバーが失敗しようと、誰が失敗しようとも、配送案件は立ち止まらないで次から次へと荷物を滞りなく出荷納品できれば良いだけの話です。
すごく、大きなうねりのある中で軽貨物ドライバーは仕事をしています。
ただ、朝の現場、昼の現場、夜の現場、時間帯の違いで物流倉庫で働く人たちの雰囲気も異なりますし、時間帯でスタッフ同士の接し方も変わりますし、軽貨物ドライバーの質や能力も昼型ドライバーと夜型ドライバーとではだいぶ異なります。
自分自身でミスをリカバーして失敗を解決しなくてはならない夜型、ミスをカバーし合う昼型、細かな傾向の違いはあるにしても、現場の軽貨物ドライバーがリスクを軽減できれば、各ドライバーは気持ちが楽なまま、うまく担当仕事を継続できます。
自らがリスクを軽減した業務環境を自分で築けば自分にとってプラスになる、ということを知っておくとよいです。人任せではダメです。
リスクの軽減はストレスの軽減につながります。ゆとりが生まれ、新しいことに挑戦していける軽貨物ドライバーを目指せるようになるでしょう。
今は未熟な点が多い軽貨物ドライバーであろうと、リスクを低減できる思想を持てるようになれば、早期に実力を発揮できるようになり、成功が続くはずです。
人任せはダメですが、一人でやりたい気持ちを落ち着かせて一人でやりきる裏側にあるリスクを減らすための保険も個人事業では大切なことです。
何でもかんでも一人で仕事を完結しようと構えすぎると配送仕事の請負で思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあるからです。
これはマイナス思考と取られがちですが、個人事業主の軽貨物ドライバーならば、順調なときこそ常に仕事案件における最悪の事態を想定しておくべきです。
明日仕事案件が突然に無くなることも普通にあります。
この軽貨物ブログで何度か語ってきた通り、事業や会社は生き物です。
自分の責任であろう、自分の責任ではなくても、悪い出来事は起こります。
もちろん、実力以上に想定外でラッキーな気分になる出来事も結構ありますが、頭の片隅で「そういえば」の発想さえあれば、ネガティブになったときアタフタしなくて済みます。
それは、信用や信頼、金銭へのダメージ、精神的なダメージも最小限で抑えることになります。
仕事も事業も安定してきて規模が大きくなればなるほど保険やリスクヘッジも重要となっていきますし、きちんと「考え方の保険」を頭の中で処理しておけば「まさか」といった事態もどっしり構えて対応ができます。
ビジネスは想定外のことが起きて当たり前。失敗も成功も日常茶飯事ですので、マイナスを自分でカバーすることもビジネス手腕の問われるところです。
こういう社会の中で事業規模を濃く展開する際、他の人と協業する機会も増えてきます。専門性が高い分野や狙いを定めたエリアでの仕事では、その道の専門家、そのエリアに強い人に協業をお願いした方が効率的です。
得意分野をシェアすることで犠牲をカバーすることもできます。
仕事がうまくいき、協業の必要性が出てくると今までは一人でやってきた仕事を第三者としてプロジェクトマネージしながらと、参画者と企画の擦り合わせをして企画の修正と管理もしなくてはなりません。
そして、軽貨物配送業者が手を出してはいけないこともあります。
- 勢力のために人を増やす。
- 借金して事業拡大を目指す。
- 一等地にオフィスを構える。
- リースで投資をする。
- 大々的な広告宣伝をする。
軽貨物配送という仕事は、軽貨物ドライバー業者のためにあるのではなく、荷主様と荷受人様のために存在している受け身の仕事です。
機会があるなら、エリアを変えて、人との接し方を変えて、軽貨物仕事の本質を再認識することも成長の一つかと思います。