配送業者のドライバーは誠実さと真面目さが中長期の信頼維持ではとても大切なことですが、それでお金が稼げるかどうかは全く別の話です。
転職や定年後の再就職でこれから軽貨物の仕事を個人営業で開始しようと考えている人は、この先はサラリーマンではない立場で仕事をすることとなりますので、真面目さが営業上では弊害になることもあり、もちろん、寝坊したり仕事でダラけたりプロ意識をサボったりすれば周囲に迷惑を掛けるのはもちろんのこと、問題は自分に必ず振り返ってきます。
初心忘るべからず、仕事に感謝することや周囲の協力も忘れず、これから軽貨物ドライバーの仕事で派手なことをせず、堅実に自営や小さな規模の会社でやっていこうと考えている人こそ、自己分析をし、自分の良い点を知り、自身の力量と性格のバランスを客観的に再認識しておくべきです。
ミドル層やシニア層の場合、卑屈になって自分の実力不足を否定せずに、自分を認め、現状の得意や力量を高く評価し、軽貨物配送の個人事業主ドライバーになるならば自分自身に満足した状態で仕事を開始することも大切です。
個人事業主ドライバーは社員雇用やアルバイトではない個人営業です。初心者でも絶対的に自信を持ちながら胸を張って仕事に挑みつつ、年齢問わず、謙虚に仕事を覚え続けましょう。
車が好きだとか運転が好きだとか、そういう動機では仕事は続きません。もちろん、運転が嫌いならば配送の仕事は不向きですが、運転することと配送の仕事や接客応対の技能は全くの別物です。
軽貨物配送の仕事内容は「なにを運ぶのか」「どのエリアで運ぶのか」「毎日定期なのか不定期な頻度なのか」「どこに運ぶのか」などやってみなければ分からない盲点もあるので、闇雲に自分が優先する料金条件だけで案件を探さず、車選びも軽バンを購入してしまうとできない仕事が多くなります。軽貨物車選びは商売道具選びですから、最も注意が必要です。
軽配送ドライバーの求人募集は大半が社員募集ではなく外注募集です。インターネット通販の宅配案件などは、所謂、ノルマ式で稼ぐことになるので朝から晩まで1日で100個も200個も配達しないとお金になりません。
慣れればできるとかではなく、体力と神経が疲れて苦労し、数ヶ月で辞めてしまう人が多いのも現実です。
通販系の宅配やネットスーパーの宅配仕事を元請けから分け与えられてピンハネする二次店の軽配送会社はドライバー募集ばかりが目立ちますが、宅配系は仕事内容もきついので、それを知っているベテラン軽貨物配送ドライバーは宅配の仕事は請けないと語る人も多くいます。
とは言え、軽貨物の案件内容によって人それぞれ耐性が違うので日当などのお金ばかりで案件探しをせず、仕事を開始するには請負契約で期間や縛りも当然にありますし、社会人である以上、嫌だったら辞めるということも通用しません。
配属を検討する軽貨物配送会社の面談時に定期の仕事契約で嵌められないようにし、特に、嘘くさい他ドライバーの実例説明に惑わされず、きちんと仕事耐性を考えた「案件選び」をするべきでしょう。
40代前のヤング層ならば自分追求でがむしゃらなハングリーさこそが学びとも言えますが、ミドル層やシニア層の場合、現状の自分に満足すらせずにこれから体力や精神や神経に負荷を強く掛けてまで理想を追い求めても、競争社会と資本主義の厳しい現実が待っていますし、孤高は大事ですが理想などの悠長なことを言っている場合ではありません。
とにかく自信を持って、異業種であろうと少なからず若い頃から仕事で学んできた経験を復習し、予習し、自分に満足した状態で個人事業主として仕事で稼いで生き抜くチャレンジをするべきでしょう。
仕事社会では、資金だけでなく才能や技能も余力ある状態で仕事をする人がいます。私利私欲を極端に追い求めず、自分の仕事で他者と妥協することなく「誇り」を優先する仕事姿勢です。
理想を追う仕事っぷりは周囲には気高さを感じさせることにつながるわけですが、反面で協調性のイメージはかなり犠牲となります。
仕事はチームであったりグループであったりしますので仕事において協調性は程よく必要です。ただ、友達ではなく仕事仲間ですので人間関係においては特段に好まれる必要もありませんし、嫌われる必要もありません。
個性を伸ばしつつ協調性を補うため、配送ドライバーとしての言葉使いや愛想や挨拶や身だしなみは他者よりも意識し、プロ意識を高め、そして軽貨物ドライバーがプロ意識する最終局面でもある「優しさ」への学びに移行するできると良いでしょう。
これから新たに軽貨物ドライバーとなって開業する人は、仕事はサラリーマン労働者ではないという心構えを強く抱くことからスタートの準備をし、今の自分の実力に満足すらできていない状況での不安ばかりで理想を抱いて妄想しても、この先、配送の仕事で楽しく稼ぐことはできません。
現実の自分に自信もなく満足すらしていないような人が独立開業しても勝機があるとは思えません。身勝手な理想の追求でお客様がついてくるはずもありません。
世の中は競争社会であり、軽配送でも個人営業の世界では薄い理想主義ではなく、自分で進むべきレールを打ち込んで、断固たるブレない志を持ち、絶対的な自信を持って仕事を学んで邁進していこうとするスタンスこそ、その先で人望を得るに至る大切な礎となるでしょう。
日本での商習慣は企業規模を問わず企業には購買基準や取引基準があり、配送業者の場合、一見さんの個人営業では「人脈のパイプ」がない限り、元請けや荷主など最大手の運送企業との新規取引は門前払いや無理難題を言われたりなど一筋縄では進まないことが通例です。
個人から事業を展開するビジョンをお持ちの方は、まずは仕事を軌道に乗せて、次に事業を軌道に乗せるチャレンジが過程ですが、創業時や起業の際など仕事を覚え始めている段階から「レール」をきちんと敷いていれば、事業計画の道筋、最初はゆっくりであろうとも軌道に乗せて仕舞えば事業は加速をしていくものです。
軽貨物の配送業者になった人の中でも、お金儲けがしたくて仕方がない人、社会貢献や自分の存在意義を見つけ出そうとしている人、それぞれが存在します。仕事への想いに間違いはありません。
起業や創業を自ら行動した一番手の人(多くは創業経営者)は、仕事と事業が軌道に乗るとお金儲けも少なからず進んできますから、貯蓄する人、色々な物を買えるようになるので贅沢になる人もいます。
しかし、軌道に乗せた事業であろうとも終点が必ずあります。
終着駅はあるものですから創業時にゴールは明確にする方が充実するので良いかも知れません。
それは年齢的を理由とするかもしれませんし、事業が生き詰まったことを理由とするかもしれません。成功状態でのゴールを明確にしている人は僅かですが、いずれにしても仕事に永遠はありません。毎日充実した仕事生活をするべきです。
個人事業主の軽貨物ドライバーで事業計画書を毎年加筆してステップアップ行動している人はかなり少ないと思われますが、自分の行動や仕事を記録し、自分の行動を評価し、自分の評価を高め、仕事から事業へと切り替える計画を持つ場合には、起業や創業のときから「ニュートラル」を意識しておくこともノウハウでしょう。
後からでは軌道修正できないことも事業にはあります。
個人事業主ドライバーが法人成りするなどして事業展開をする場合は、所詮、個人営業の延長線上に事業があるといった人ばかりです。そういうレベルと言えばそう言うレベルです。