中型や大型やトレーラーなどのトラック運転手ではなく軽貨物ドライバーの職を選ぶ人は仕事で何をしたいのか。
経営理念。
軽貨物ドライバーになる人はトラック運転手になる人とは仕事の夢が違うような気がする。キャリアプランの違いについてである。
将来や未来を信じて仕事をするトラック運転手からすると軽貨物ドライバーなんかと一緒の仕事をしていると思われたくないと感じる人も決して少なくないだろう。
現役の軽貨物ドライバーでも60歳まで働けば年金で悠々自適に暮らせる筈だったのに仕事人生のどこかで狂いが生じたのか我が国の年金制度に騙されたのかなど様々な事情で軽貨物ドライバーの仕事なら簡単そうでハードルが低いだろうと思って惰性で仕事をしている人もいれば、仕事での金儲けに鼻息が荒くて人を集めてこき使って不労所得を得ようとする感じの人も中にはいる。
それはさておき、トラック運転手の場合は2トントラックの運転手から仕事を初めて中型トラックの運転手や大型トラックの運転手へとキャリアアップして最終的にはトレーラーの運転手になるなどで給与アップを計画したりなど夢ではないとしても仕事が好きならば先々に自身がトラック運転手として成長する流れをイメージできる。
軽貨物ドライバーはどうだろうか。夢やキャリアアップを描くことはできるのか。良くも悪くもだが経済の底辺にある仕事なのに上に向かうキャリアアップはなかなか難しい。金銭的にゆとりが無いなどで仕事の今しか見ていないような人間も軽貨物ドライバーには多い。
私の場合は軽貨物運送の事業でも年配の方から若者まで軽貨物ドライバー採用の面談や研修で初見の人と話をする機会があるが軽貨物ドライバーになろうとする人は最初から軽貨物ドライバーが最終形態のような気がする。
そう感じるのは仕事の裏側にある雇用契約なのか業務委託契約なのかで左右されると私は考える。
そもそも街中で働く軽貨物ドライバーの大半は一社の軽貨物配送会社と業務委託契約をして配属することで仕事をもらっているが雇用契約ではないのでその会社の労働者ではない。
とは言え、一社専属で仕事をしているならば事実上は労働者に該当するだろう。お金の貰い方だけが異なり給与収入ではない売上収入という違いだけのことだろう。
ただ厳密には契約関係が雇用契約や業務委託契約と解釈されるかどうかは労働基準法や労働契約法など労働関係法規の適用があるかどうかである。
軽貨物ドライバーの実態としては一社に配属するかたちでその軽貨物配送会社で指揮命令の下で労働しているケースが大半だが形式上だけ業務委託契約である。
それは指揮監督下の労働に関する判断基準も関係してくるが仕事の依頼や業務従事の指示に対する諾否の自由があるのかないのか、業務遂行上の指揮監督があるのかないのか、業務内容や遂行方法に対する指揮命令の有無があるのかないのか、拘束性の有無や代替性の有無がどうなのか、報酬の労務対償性が強いのか、これらでも従属性は変わってくる。
ただ、これらはトラック運転手であれ軽貨物ドライバーであれ業務で使用する車両が自己所有のトラックなのかどうかで傭車運転手に該当するのかが決まってくる。
傭車運転手は購入やリースやレンタルなど自己所有のトラックで他人の依頼命令に基づいて荷物の運送業務などに従事する者とされる。
と言った感じのことを踏まえながらも軽貨物ドライバーになって何をしたいのか明確にしておかないと仕事への感謝の仕方が変わってくる。
業務委託契約にも関わらずして仕事の不平不満を言えば業者としてお仕舞いである。愚痴を言えば速攻でマイナス評価である。労働者ではないのだ。
トラック運転手であれ軽貨物ドライバーであれ雇用契約であれ業務委託契約であれ仕事人生で大事なのは自分に対する何かではなく、あくまでも他人や世の中に対して何をしたいのかであろう。