担当する仕事案件に慣れてきた業務請負の軽貨物ドライバーは担当している仕事が自分の仕事だと勘違いをし始める。
知らぬ間の慢心。
軽貨物ドライバーの仕事を業務委託で働く人間にとって新しい仕事案件に慣れることは大切なことでもあり注意すべきことでもある。
業務請負した新しい仕事案件に慣れ始めると緊張感が和らいで仕事が妙に楽しくなる。
がしかし、仕事耐性の弱い人間はその仕事案件に慣れた頃合いにタブーである金の話を周囲のドライバー業者としたり、他の仕事案件の話をしたり、現行の愚痴や不平不満を周囲に語り始めるのがオチである。
そういった信頼を貯めていけない信頼残高ゼロタイプの典型的に駄目な業務請負ドライバーも決して少なくはない。
話は戻るが、仕事に慣れる大切さと仕事に慣れた注意は誰のために意識すべきなのか。
そう、仕事上で関わる周囲の人たちや取引相手のために配慮すべきことであり、自分を保身するためであってはならない。
これは仕事でミスをした業務請負の軽貨物ドライバーが発する言葉や態度に滲み出てくることでもあるが、仕事をミスしたからクビになるとか委託切りになるとかそういう自己中心なことを口にするような人間がそれにあたる。
雇用関係ではない業務委託の立場は甘くない。365日ずっと止まらない物流の世界で1人の個人がクビになるとか委託切りになるとかどうでもいい話である。軽貨物ドライバーなど誰でも構わなければフリーランス風のドライバーなら街中に腐るほどいる。
それであろうと請負仕事である限り責任逃れは一切通用しない。だがしかし、業務請負する仕事受注で潜んでいるリスクはそんなことではないのだ。
自分の良さを発揮できないことが周囲に与えるリスクとなる。自身のリスクなど業務請負の責任ではどうでもよいこと。やると決めたことはきちんとやるだけのことだ。
周囲関係者に自然な感じで貢献できているのかを真剣に日々考えながら自分の実力を予習復習することを繰り返すことが個人のリスク回避では大切な心構えになる。
今の請負仕事でお金を稼げていてもそれは正しい対価とは限らない。多くお金を貰いすぎという状況も多々ある。
そんなこんなで同じ業務請負の仕事継続が1年も経てば仕事内容と人間関係の環境にも慣れてしまい新たに努力することや仕事があることへの感謝も薄れてしまう。そうして個人事業や零細企業の自己成長はピタッと止まる。知ったように偉そうにもなってしまう。
これが事業や仕事で軽々しく安定を求めると成長が止まると云われる理由であろう。ただ、挑戦と努力の結果で慣れ親しんできた仕事案件は居心地が良いので感謝できる心のゆとり感情も生まれる。それをずっと続けていきたいと想うのも人間である。だがその心構えは個人事業主の軽貨物ドライバーにとってリスキーであるのは言うまでもない。
私は自信家ではないので自らの事業計画に基づいて1年間に1回だけだが抜本的に自らに新しい課題を与え、自分が担当すべき仕事の見直し、事業規模の見直し、強化すべき取引関係の見直し、を年度ごとにしている。
年間を通じて1日全休という休みは数日しかないのが現状だが、この手のスモールビジネスは殿様商売ではないので運と勢い任せで突っ走る仕事の請負開始もあり、気持ちに妥協しながら突っ走る仕事請負の継続もある。
毎年のことではあるが次年度はこうしたいああしたいという願望と計画があり、その自らの挑戦に向けて年度が変わる数ヶ月前には行動指針に目星をつけ、現状の働き方に関しても次年度の数ヶ月前から微調整を始めるのが成長ルーティンとなっている。
現状でのお金の稼ぎや信頼成長の度合いに不安や不満は一切ないものの仕事環境の慣れと人間関係の慣れは事業成長の天敵だと私は考える。
慢心に注意し、自分自身の得意をスクラップビルドすることで健康経営の底力は徐々に身についてくる。
そうすれば新たな取引先となる荷主企業やクライアントから寄せられる物流相談を的確に応えることができるようにもなる。