小さな会社や小さな事業ほど運送業者へ物流アウトソーシングをすべきではない。
出荷売上は体感が大事。
軽貨物運送業界では配送の仕事欲しさなのか物流アウトソーシングという言葉を使って荷主企業や物流会社に配送サービスを提案する会社がある。
ただそれらは荷主としての事業経験が無い業者だったり荷主企業の事業や一般企業のビジネスモデルを理解できるまでの頭脳が無い業者だったり、単なる配送業者が単なる配送の知見経験だけで物流アウトソーシングで配送を任せて欲しいなどと提案している。
真の物流アウトソーシングは荷主企業の営業姿勢や経営思想に同期を業者として配送ドライバーができるかどうかが重要である。
言わば友達以上恋人未満、アルバイト以上社員未満といった、といった立ち位置とも言えよう。
メーカーや販売会社など商品の製造や販売を主体とする荷主企業は経営規模が小さければ小さいほど丸投げ的な物流のアウトソーシングはすべきでないと私は考えている。
どんなに業績が好調で猫の手を借りたいほどの忙しさでも物流の動きを目で見ないで金勘定だけで事業を経過させてはならない。
敏感に感じ取らなければならない物の動きの違和感に対して判断や決断を鈍らせてしまえばそれは事業の足踏みになってくる。
経営や事業は生き物である。
商品の動きや在庫の塩梅は帳簿の数字だけではなく実際の物流現場を事業責任者は目で見たり汗をかいて出荷梱包をしたりなど売上出荷を体感することが事業の動きを足踏みさせないための必要な行動だと私は考える。
もちろん我々のような軽貨物配送業者は物流アウトソーシングで飯を食わしてもらっている立場なので物流アウトソーシングのニーズが無くなって仕事を任せて貰えない時代となれば即廃業であるが我々の役目と役割はそういったもので宿命である。
物流をフォローする立場として細いビジネスパイプで繋がっていればよく、太いビジネスパイプは必要ではないのだ。
物流アウトソーシングが荷主企業の事業上で真の意味合いを発揮できるのかは運賃コストが高い安いではなく共に物流の高効率を目指してできることを行動することにより荷主企業の事業発展や安定に取り組んでいかなくてはならないはずだ。
物流アウトソーシングをすれば荷主企業の従業員は本来やるべき業務に専念できるなどと間抜けを語る胡散臭い運送業者もあるが、事業戦略や事業戦術や企業経営やビジネスモデルに長けていない人間の物流アウトソーシングなど疑念しか抱かない。
信用ではなく信頼という人間の関係が荷主企業と担当ドライバーに互いで成立していないと物流アウトソーシングの効果は正しく発揮されない。
信頼感の源は共存共栄でもない。弱者同士の助け合いでは事業勝算を高めることはない。
小さな会社や小さな事業の物流で大事なことは社員であれバイトであれ外注での業務委託であれ仕事や人を中長期で応援し合えるかの意識であろう。
仲間だとか協力会社だとかはビジネスを強くしない。寧ろ、互いに利用することばかりが見え見えとなって最終的にはコストが高いとか安いとかそんなレベルとなる。
小さな会社や小さな事業では策を練らなくても関わる人間の絶対数が少ないことから売上に関わる機密など情報漏洩リスクを最小限に抑えられている。
物流アウトソーシングによって外部へ会社や事業の機密情報を共有する機会が増えれば大切な情報の漏洩リスクは一気に増える。
物流アウトソーシングは儲け主義で多重下請け構造で運送業者が複数経由することも多々あるので注意が必要だろう。
もちろん物流アウトソーシングは荷主企業の中に物流業務のノウハウが蓄積されない可能性が高く、忙しいときだけ業務委託ドライバーを使おうという骨端では結果的にコスパも良くない結果を招く。
物流アウトソーシングは割高であろうとコストダウンであろうとうまく噛み合えば十分に荷主企業の事業を軌道に乗せることも可能であり中長期で荷主企業に於ける物流サービスレベルを安定させることも可能だ。