私は軽貨物業界を良くしたいとか街中で頑張って働く軽貨物ドライバーの立場や環境を改革したいなどという烏滸がましい想いは一切ない。寧ろ興味がない。
自分の考え方や行動は万人受けを望まない。
孤独を恐れてわちゃわちゃとSNSとかで多くの人に自分を知ってもらおうとして、他人の賛同を得て気持ちよくなっているタイプでもない。
最近は特に思うが黒ナンバーの軽車両を道路脇やコンビニ駐車場に停めて屯している軽貨物の個人事業主ドライバーらしきオッサンを見かけると気持ちの悪い大人だなと感じてしまう。
昔、コンビニで屯していた不良みたいな中学生や高校生の方がよっぽどマシ。
リアルだけでなくバーチャルなSNSの世界で営業弱者な個人事業主の軽貨物ドライバーをバンバン寄せ集めて自分の発信力が大きくなっていると錯覚して自慢と告知を繰り返して気持ちよくなってる軽貨物会社の社長連中なんかも見ていると嘘くさく虫唾が走る。
軽貨物の仕事はお客様100人への感謝なんかではなくお客様1人への感謝で精一杯だ。
仕事で取引する担当相手が経営者や社長ではない大企業の部長職や中企業の部長職や小企業の部長職で働く人の場合も、俗にいうザ部長ではない専任部長のような動きができている一匹狼な人には魅力を感じる。
世の中はみんなが自分と同じ考え方を持っているわけではない。
如何にして相手と自分だけがうまくいくか。第三者は関係ない。
年齢や性別も問わず誰かに同調することは大事なことだろう。
無論、嫌でも同調しなければならないことも普通にある。考え方がそうであろうと反発する必要もない。
無闇に知り合いを増やさない。
配送現場で知り合いを増やそうと同業者に話しかけたり集荷先や納品先で知り合いを増やそうと躍起な人間も聞いたり見たりするが人的価値はゼロに近くなる。
ご縁があって取引に至るお客様のビジネスが良くなればハッピーで万歳である。一線が大事でそれ以上もそれ以下もない。
世の中が良くなろうと悪くなろうと私が考えることでもない。周囲に依存しないので軽貨物業界全体がこの先どうなろうと興味も無い。
公園で元気に遊ぶ子供たちや世の中にいる子供たちの将来が良くなっていくことが仕事やプライベートでの心の持ち方としては基本だが、国や役所や誰かが自分の事業やプライベートの環境を良くしてくれるという甘い期待も一切あり得ないと肝に銘じている。
そんなこんなで、昭和から平成経済で20年間ほどメーカーの立場で日本全国に代理店や特約店や販売店や小売店などの販売チャネルを構築しながら競合を敵視して挑んでいた私にとっての古き良き時代を思い出す機会がポツポツ増えてきた。
都内を軽トラで走りながら街中で信号待ちをしているとき、歩道を歩くスーツ姿のサラリーマンを眺めていると特に古き良き時代を感じる。
歳をとったのだろう。
幸いにしてまだ身体は元気に動いている。肩の痛み、腰の痛み、腕の痛み、足の痛み、なんとか上手に我慢できている。とは言え、老いている自分に気が付かされる仕事シーンも増えた。
知っててやり残していること、やらなくはならないこと、改善をしなくてはならないこと、これから進めなければならないこと、まだ少しある。
貧乏暇なしで自由気ままな立場ではないものの、私自身は仕事や事業のモチベーションは順調と言える。
身体は老いても仕事や事業はどんどん楽になる。
人よりも多く考え、人よりも多く行動し、そういった積み重ねの経験で少しの成功と少しの安定を手に入れる準備は整ってきたかのように思える。
年齢が若返ることはない。
これからどんどん老いていく。
身体ストレスの耐性は老いていくのは確実。だが、仕事人生で培った精神ストレス耐性と神経ストレス耐性は老いていくことはない。
酸いも甘いも噛み分ける。
周囲の人間が考えている良いこと、周囲の人間が考えてる目論見、周囲の人間が考えている企み、そういったことも感じ取れるようになる。
とは言っても、知見と経験が増えると要領が良くなるものの決して偉くなったわけではない。戒めも求められる。
現在のスモールビジネスな軽貨物運送事業では私にとって課題の難しさなど無いに等しいが、私はお客様に恵まれているだけのこと。
昔、製品の技術責任者として立ち振る舞い、製品の販売責任者として立ち振る舞い、メーカー物流のスモール版のような感じで輸入貿易や国際物流から国内物流を把握し、生産計画や輸入計画や在庫計画、物流責任者としても立ち振る舞い、商流のことも物流のことも仕事人生で一通りの実務はこなしてきたが、荷主企業の大半は営業部門と物流部門をうまくリンクさせることが重要だということも身に染みて理解はできている。
業界全体が狭く見えてくれば業界全体が見えてくるだろう。何をどうすれば自身の成功や成長も何となく見えてくる。
やはり「ガンガンいこうぜ」でしかない。
覚悟を恐れた低空飛行を続けていると事業や仕事の成長がピタッと止まっていることにすら気が付かないことも多々あるが、低空飛行というのはそれはそれで絶妙な安全圏である。
低空飛行の巧さこそスモールビジネスでは最強と言えるのも事実。低空飛行から無理をして抜け出す必要も全くない。