軽貨物配送のスキルを勘違いしているドライバーも見受けられます。荷主様にとって配送員に求めるべき大事なことは、土地勘があることでもなく、数を多く配達できる技能でもありません。
千葉県で軽配送の仕事をしていて感じることがありますが、正直、軽配送ドライバーになるような人たちは、少し、社会人としてはズッコケている人が多いのは事実でしょう。
もちろん、どこかズッコケていようとも皆の汗と頑張りを尊敬しつつ、全否定する意図は一切ありません。
しかし、走っている黒ナンバーの車両を除いて見ると「酷いな」と感じることが多々あります。
- タバコを吸って運転。
- ヒゲがもじゃもじゃ。
- 半袖半ズボン。
- 襟のないTシャツ。
- ピアス
- 眉剃り。
- 汚い靴。
中には「作業服を着て帽子にマスク」をしているような軽貨物ドライバーもいます。
そこまでいくと、見方を変えて、ぱっと見は防犯カメラやテレビニュースで見かける事件での怪しい人物の典型像です。
もちろん、茶髪だろうと髭だろうと半袖半ズボンだろうと、これらは違反ではありません。
しかし、自由故に、軽配送ドライバーの品の無さは、どうにかならないものかと思ってしまうことがあります。
もちろん、頑張ってもマナーは生まれ育った環境など天然でわからない人もいます。
決して、卑屈になるほど悪いことではありません。
ただ、改善したい場合は、マナーの向上に努めている人の多くが言葉遣いから改善しているという実態を把握することから自分改善を始め、社会人として自信をつけると良いかと思われます。
私は20年以上、輸入貿易で海外企業の人たちとも仕事をしてきたこともあってなのか、日本人に対しても、なかなか、簡素には事柄を伝えようとしない癖があります。
要点つくりが下手なので、マナーや愛想など他のことで自分をカバーしようと試みています。
ビジネスでのマナーはテーブルマナーではありません。ビジネスマナーは考えようでは実にめんどくさい話ですが、めんどくさいでは駄目な仕事シーンが時よりあります。
軽貨物配送ドライバーも、いつ、どういった立場の方へ荷物をお届けするかはわかりませんから、個人事業主の軽配送ドライバーならば最低限のマナーを自分で決めておくべきです。
納品仕事では緊張しても疲れるだけです。しかしながら、ドライバーだからと偏見でカッコ悪く見られるのも嫌ですし。
ただし、マナーは文化や国、宗教、民族や時代でも異なると言われています。
文化の違いとマナーを少し理解しておかないと仕事での交渉がスムーズに進まなかった経験があります。
スムーズというのは自分や自社のタイミングで仕事や事業や研究が動かないことです。この優先がズレるとビジネスチャンスもなくなるわけで、荷主とメーカーにおいてスムーズな仕事はとても肝心なことが多いです。
個人事業主ドライバーが軽配送している荷物の荷主やメーカーのスタッフも仕事で色々と戦っています。納品仕事のマナーで梃子摺っている場合では無いわけです。
もちろん、プライベートなど仕事でなければフランクさだけで万国共通のマナーでもある「相手を親切にする」「明るく挨拶する」といったことでどうにかなります。
しかし、仕事では自分よりも相手の方がマナーを重んじているケースも多々ありますので、もちろん、国内の仕事であろうとも責任ある立場なら、営業交渉でもマナーは相応に意識はするべきでしょう。
- 約束の時間を厳守する。遅れる場合はあらかじめ相手先に連絡する。
- 相手を呼ぶときは苗字に「さん」をつける。ビジネスではラストネーム(苗字)で呼び合う
- 名刺交換は両手で自分の名刺を差し出して相手の名刺を両手で受け取る。
- 日本では上司や来客の方とすれ違うときには会釈(軽いお辞儀)をする。得意先の場合は出迎えや見送りで敬礼(一般的なお辞儀)をする。
- 贈り物は渡す際は紙袋から取り出して手渡しする。受け取った場合はその場で自分から開けない。
さて、心のスイッチを入れたら、ジェスチャーや表情、イラストや書類を使って、チェックリスト化して順番に、心から丁寧に話すこともかなり大切です。
新しい配送案件で不慣れな仕事などは挑戦して数日で覚えれば良いだけです。しかし、人間力とマナーは意識しないと身につきません。
海外企業とのミーティングでは、英語が不得意でも、表情を決めて、重要な英単語をしっかり言うことで意味が通じることがありますが、相手が日本人の場合、重要な単語という意味自体が通用しません。
言葉遣いは、ゆっくり、はっきりと、を心掛けて応対する大事さは頭で理解できますが、自分に専門外となる相手の話は、しっかり耳を傾けること自体、非常に難しいものです。
要するに、実践あるのみです。
基礎勉強した上で、わからないことはわからないと伝えても決して失礼ではありません。
軽配送ドライバーに礼儀やマナーは関係ないというスタンスでも納品仕事はできます。
ただし、お世話になっている荷主を影でフォローするならばマナー行動できるドライバーであるべきですし、荷主からも顧客からも評価も得られる筈です。
軽貨物配送の仕事には種類がありますので、見かけや格好など、気を遣って作業している場合ではないのも事実。
何事も仕事では本来は中身で勝負したいわけですが、社会人たるもの、人物の見かけはそれ以上に大事なこともあります。
ハンサムで格好いい人は得です。可愛く美人な方も得です。嫌でもこれすらが人の才能です。
また、例えば、建築現場のように妙に作業着が汚れていると仕事ができない人と思われるのと同様、身だしなみが悪いだけで駄目なドライバーと思われてしまいます。
そして、軽貨物ドライバーは「言葉遣い」がドライバーの質を問われるうえで最重要な能力と言えます。
軽貨物ドライバーは物を運ぶだけで労働のお金は貰えます。
定められた時間に物を届ければ労働のお金は貰えます。
しかしながら、軽配送ドライバーが運ぶ商品の荷主やメーカーはそのお客様に対して、そうはいきません。
個人事業主に軽貨物ドライバーは、荷主やメーカーを影で支える営業補佐でもあると言っても過言ではありません。
ユーザーや消費者などのお客様に向けて、荷主の営業マンと荷主の事務方はビジネスパーソンとして仕事全体をスムーズに応対することが求められています。
荷主やメーカーは単にお客様に物が売れればいいわけではありません。
売って届けて、はい、おしまい、ではありません。
軽貨物ドライバーのように個々の仕事そのものが完結型ではありません。
殆どの商売においてリピートが重要なわけで、常にスムーズに売れていくことが大切です。そう、スムーズです。
このスムーズな仕事のために荷主やメーカーのスタッフは綺麗な言葉遣いを心がけているわけです。
もちろん、綺麗な言葉遣いは大変に難しいので、ドライバーならば丁寧な言葉遣いだけは意識するようにします。
商品を売るという行為は、商品だけでは伝わらないことも多くあります。技術も商品は喋れません。
きちんとした荷主やメーカーでは、チラシや文字、説明書や動画で商品解説を補足できる部分は補足しています。
ただし、荷主やメーカーでも補足できていないことが必ずあり得ます。補足しないことも必ずあります。
そう、不特定多数への販売行動では地方地域や文化、各ご家庭に対して微妙なニュアンスの違いが必ずあるわけです。
だから、軽貨物ドライバーは、荷主やメーカーのお客様相手に聞き心地がよく、内容を理解しやすい言葉遣い、話を肯定的に受け止めることができる言葉遣い、を意識しなければならないわけです。
言葉遣いしかりですが、流石に、作業服を着て、帽子でマスク、タバコ臭い、というドライバーは淘汰されます。
荷主様やメーカーはそういったドライバーを選ばないのも事実です。やはり、楽しく仕事ができる、自然な紳士ドライバーであるべきでしょう。