軽貨物の仕事をしていて舐めてるなと感じる出来事が年に数回だけある。些細なことだがそれは仕事のキャンセルである。
私たちは貧乏暇なしで時間を切り売りして責任稼働を365日24時間をしている軽貨物業者であり、仕事のキャンセルというのは絶対にあってはならないことの一つ。
配送仕事のキャンセルを嫌う意図は売上利益が減少するからではなく、仕事にキャンセルがあってはならないと考えるのは金銭的な損得ではない。
仕事柄、物流のイレギュラーを担当する身として荷主企業の突発的な動きに24時間体制でスケジュール順応することに最善の努力はするが、他のお客様からの仕事案件を全て断ってその仕事だけに自分の時間を使うため、仕事のキャンセルはごめんなさいでは済まない。
専用チャーター便は複数のお客様から荷物を預かって運ぶ混載便とは訳が違う。
- 受注した仕事の責任
- 発注した仕事の責任
約束を守らずに一度でもキャンセルの不義理をする人間は必ず2度も3度もそれをする。そう必ずである。
世の中、一度でも裏切る奴は2度も3度も裏切る。
無論、キャンセル自体は別に構わないが当然に運賃や費用は請求となるので損をするのはお客様。
筋道、義理、そういう責任感で我々のような本業の軽貨物ドライバーは働いている。
- 不義理は許さない。
- 不義理をしない。
自分でやると決めたことは必ずやるだけのこと。それは何ら決して難しいことでもない。
私自身、若い頃からの仕事経験は物流の川上で、海外企業との輸入貿易、国際物流、海上輸送や航空輸送、日本全国にある取引先へのデイリーな国内物流や入出荷業務、生産計画、在庫管理、営業開発や技術開発、販売チャネル構築や代理店育成、宣伝広告、ネット販売の構築、仕事経験を振り返ると幅広い諸業務をブレずに特化してきた。
確かにお客様にも恵まれていたが、総合商社ルート、専門商社ルート、メーカー、販売店、小売店、直売、BtoCもBtoB、様々な立場で働く人たちの責任感や販売手法やノウハウに触れていた。
仕事人生は長いようで短いのでカルチャーの違う人間や不真面目な人間と仕事をする暇はない。
時間は永遠にあるが、自分の時間は永遠ではない。気を抜いてチンタラもできる。事業や経営や仕事は全力疾走を続けていても結果に満足でこるとは限らない。
とは言え、疲れてゆっくり事業や経営や仕事を歩けばそのツケは自分に跳ね返る。自己責任とも言わない。
軽貨物ドライバーの仕事や事業は経済やビジネスの上流にあるわけではない。下流の吹き溜まりにある。
俗に言う経済やビジネスの底辺で得るものなにか。学べることは何か。それが課題でもある。
どんなにお客様第一主義で軽貨物配送の仕事をしていても「舐めるなよ」とお客様に言わなければならないのは依頼をした配送仕事のキャンセルである。
価格交渉、単価の安さ、値引き、そういった諸事情はあっても構わない。
ただし、発注した仕事のキャンセルというのはビジネスの世界で裏切りや不義理を意味する重い出来事。
仕事に於ける約束やルールはとても大事なこと。恨みでも憎しみでもないが不義理や裏切りは忘れずにメモに書き残す必要がある。