軽貨物の個人経営ドライバーとして次の一手を考えている業者と、目先のことだけで一杯となってしまってブレている業者の実力差はかなり大きい。
仕事の一手と事業の一手。
軽貨物ドライバー業者が物流業界でおかれている立場は良くも悪くも日本経済の末端で配送ニーズを単に待って仕事をしているだけの営業弱者であり、それは名のある軽貨物配送会社であろうとも名の知れぬ個人経営の軽貨物配送ドライバーであろうとやっていることは大差なくドングリの背比べ状態と言えます。
むしろ、個人事業で働いている軽貨物配送ドライバーの方が事業主として自らが軽貨物車のハンドルを握ってきちんと配送の実務をしているので、お金と信頼を稼ぐということにおいて無駄の出ない実力主義の健全な事業運営をしています。
個人経営の軽貨物ドライバーは法人の軽貨物配送会社のように経営陣がハンドルを握って配送業務すらせずに協力業者という名の下請けドライバー業者や見ず知らずの日雇いドライバーに仕事を丸投げして金儲けをしようとはしていないので、個人経営で独立系の軽貨物ドライバー業者の場合は責任感起因のクレーム発生は少ない傾向でしょう。
とは言え、個人経営や零細企業の軽貨物ドライバー業者が金儲けに色気を出し、SNSや掲示板や求人サイトで誰でも構わずに軽貨物ドライバー募集を繰り返していて、多重下請け案件であろうと何でも内容構わず金額だけを見て配送仕事の案件探しに躍起となっている業者もあったりします。
口先だけでチカラを貸して欲しいだとか言ったり、情報交換をしたいだとか言ったり、事業者や事業主として間抜けな問い合わせをしてくる見ず知らずの同業者もいたりします。
- やる意味のある案件
- する意味のある取引
配送経験者の軽貨物ドライバーは宅配便の仕事を嫌がる人が多くいます。
宅配便はやりたくないドライバーは軽バンには乗らずに軽貨物の冷蔵車に乗ったりして運送業ドライバーの仕事をしているわけですが宅配業ドライバーよりも我儘なドライバーが多い傾向で、重い荷物を運びたくない、距離を多く走るのが嫌だ、とか言い始めて仕事ニーズからどんどん外れ、一向に経験とお金を稼げるようにならない個人経営ドライバーがいるのも現実です。
このように経済の末端で働く業者の典型ではありますが、非計画的、場当たり、ただ単に頑張っていればどうにかなると思っているだけ、うだつの上がらない個人ドライバーも巷ではゴロゴロといます。
私は宅配業ドライバーではない運送業ドライバーの1人ですが、私の場合は運送業ドライバーの中でも取り扱っている配送種別が普通のドライバー業者よりも多いため、配送事業の取り組みで考えるべきこと、求められること、やり遂げること、に関しても適度に抱え続けています。
- どうすればクライアントの事業で自分が武器になれるのかをポイントにする。
私のような動き方をする独立系の軽貨物運送業ドライバーは、荷主などクライアント側の荷造運賃や通信費や仕入といった事業コストから運賃を頂戴して荷物を集配請負するだけでなく、クライアント側に於ける物流費の健全化をどのように提案できるのか、クライアントの事業で配送部門の武器となれるのか、これらを忘れないで取引関係を中長期で継続していく気構えが大事となります。
荷主ファーストで働くドライバー業者は良く言えば魅力的なドライバー業者ですが、悪く言えば変わり者のドライバー業者と言えます。多くのドライバー業者は自分勝手なドライバーファーストを語る人ばかりです。
クライアントから信頼を得ようとすることに重きを置く運送業の軽貨物ドライバーは、難しい配送経験をしていかなければ優秀な業者として生き抜いていくための成長ができません。
ここで言う難しい配送とは巷の同業者ドライバーが口にするような搬出入が難しいとかピッキングや仕分けが難しいとか集配方法のルールが難しいとかそういった単純なテーマではありません。
軽貨物車で運べるであろう荷物の配送であらゆる無理難題を解決する試みを持つことも優秀な軽貨物ドライバー業者の基本でもあります。
難しい配送であろうとも慣れれば居心地が良くなってきて仕事は楽になりますが、ただ、業務委託という立場で仕事をする以上は慣れによる安泰の気持ちを持つとかなりリスキーなのです。
- 次のステップを考える。
軽貨物配送会社の中には軽々しくプロフェッショナルという言葉を使っているところも見受けられます。もちろん、プロフェッショナルな軽貨物配送会社など滅多に存在しません。
新しい顧客の新しい配送ニーズを洗い出し、顧客に満足をさせてこそプロ業者ドライバーと言えるわけです。
受け身の姿勢であれできない、これできない、を口にするレベルのドライバー業者は確実に淘汰されます。