送料無料という過剰サービスの安請け合いをした通販会社に同調して「安くて速い」という安直な過剰サービスを請け負った物流会社の罪と競争原理。
物流業界では深刻な人材不足とトラックドライバーの高齢化という問題を抱えていると聞きますが、その余波が軽貨物配送業界にも押し寄せています。
人材不足と言うより、仕事のできる人材不足と言った方が正しいかも知れません。
さて、配送ドライバーの高齢化が騒がれることが時折あります。ただ、高齢化のラインが何歳からなのかはわかりませんが、私が知るシニア層の配送ドライバーには大きな問題があると感じません。
若い年齢世代のドライバーの方が明らかに外見や中身の浅さに諸問題を抱えているケースが多いでしょう。
とは言え、軽貨物業界も競争原理です。
自社や自分が必要とする配送の仕事案件を獲得するために他の配送業者と競い合い、勝った者がその仕事案件を獲得できます。
私は個人的に仕事では、昔から、年齢しかり、性別しかり、経験値しかり、企業規模しかり、誰でも平等に競争に参加できる自由競争やノルマで稼げる業態を好みます。
自由競争は気楽に誰でも参加できるという甘いことではありません。
軽貨物ドライバーは、今持っている軽配送サービスの幅を永続的に提供するという考えではなく、地域性を感じ取り、この先、その一歩先、それを見越して今よりも理想的な軽配送サービスを自分流で仲間や先輩後輩と作り上げることに注力することが大事です。
こういった考えを持ち、営業上では紙一重の差で勝利を収めることにつながります。
私は前職で小さな会社ながらも二十代前半の頃から会社役員の立場で海外の企業や国内の企業と仕事をしながら事業運営や経営を見てきましたが、人選においては、年齢や性別や経験値での偏見はよくないと考え続けております。
仕事は「需要と供給」だからです。
そもそも、軽配送ドライバーであろうと、トラックドライバーであろうと、長時間運転や重い荷運びという肉体的に大変な労働環境は当たり前にあります。
みんな鞭を打って仕事をしています。
腰が痛い、肩が痛い、肘が痛い、膝が痛い、これは配送現場では禁句です。こんなことを無意識に軽々しく周囲に喋ってはいけません。
業務請負する外注業者なわけですから、年齢や性別や経験値を問わず、的確に、元気いっぱいで仕事ができなければ駄目です。
差別なく、誰でも平等に競争参加できる自由競争とはそういう世界です。
もちろん、軽貨物配送の営業分野でも激しい価格競争の中で、荷主様がひたすら運賃の安さを求め、ひたすら仕事の速さを求めてきます。
時にはやっつけ仕事や勢い任せの配送依頼で軽貨物ドライバーは業務を任されます。
4トンなのか、3トンなのか、2トンなのか、1トンバンなのか、軽貨物なのか、単に仕事っぷりをコストだけで見られます。
荷主様からの要望で、安さと速さに対応するには、当然、人件費の軽減、要するにドライバーの賃金低下は避けて通れない道です。
結果的に、立場的に、配送ドライバーの仕事はキツイ、給料は安い、これも避けては通れない道でしょう。
ただ、こんな状況下に置かれた配送仕事を積極的に望む理由などどこにもありません。
各ドライバーがスキルアップしてサービスの幅を向上させようとも、荷主様や荷受人様の次なる要求は多様に増えるばかりでしょう。
それが仕事です。不平不満は通りません。
それでも企業は新しいサービスを発信しなければなりませんし、新しいサービスを請け負わなければなりません。
新しいサービスを請け負えなければ軽貨物配送ドライバーの職でも同業他社との競争には勝てません。
千葉県の軽貨物配送専門店シフタープロでは常日頃から唱えているとおり、個人事業主にも関わらずドライバーファーストなどは全くの無意味です。
ドライバーファーストなどという言葉はハードルを下げたドライバー募集のために使う言葉でしかなく、まして、お客様に対して非常に失礼な言葉です。
荷主様の多様な要望にきめ細かく「立体的に」反応する必要があり、きめ細かく動く能力も必要であり、軽貨物配送ドライバーは常にお客様優先主義である荷主様ファーストの姿勢でなければなりません。
何かを犠牲して何かを得ることが大事なこともあります。そこが決断力でしょう。
考えている暇はどこにもありません。
常に意識を高めた軽貨物ドライバーでなければ人より稼げません。
軽貨物車の荷室に荷物を満載にすれば物流の効率は良くなります。しかし、燃費は犠牲になります。時間をかけて荷物を満載に積んでいては即時性も犠牲になります。
「安くて速い」というサービスの裏側に何があるかです。
答えを出すために一つ一つNOを突きつける検討が大事です。個人事業主故に仲間や先輩後輩の意見アドバイスも貴重です。
そうやって自身の役割と役目を明確にしていく姿勢、荷主様や元請け会社様などのパートナー様と対等に渡り合えること、俊敏に仕事貢献する仕事っぷり、それらを常日頃から心掛けていくことが「人より稼ぐ」ポイントなのかと感じます。