頭が良かろうが悪かろうが軽貨物配送の仕事を「めきめき」と覚えていくには、何をどうすることが近道なのか実態を考える。
一般的なネクタイ族のサラリーマンとほぼ同様で軽貨物配送ドライバーのような仕事であろうとも新しい仕事環境に入ってから「3ヶ月間の経験」というのがその仕事や案件で適正や耐性を自己診断するのには丁度良い期間だと私は思います。
これから真剣に軽貨物ドライバーになろうと検討している人は、稼ぎや目先の日当を期待する前に「仕事のあり方」を根本的に考えてみましょう。
逆に言うと、スタート3ヶ月で、できるドライバーになれるか、できないドライバーになってしまうか、ほぼほぼ決まってしまうことでしょう。とは言え、才能や才覚は人それぞれですから、まずは開始3ヶ月後、自信に満ち溢れていれば良いので、職場の人間関係も焦らず無理に意識せず、構えていても良いでしょう。
配送ドライバー経験の年数は一切関係なく、新しい案件現場では誰しもが若輩者であることを認識し、育ちで重要とされる開始3ヶ月は最大限にプロ意識で集中を続けて案件現場の仕事ルールを覚え、稼ぎの能書きは後回しにし、へこたれず、直ぐに答えを求めずに仕事を丁寧に覚えるべき期間と捉えます。
軽貨物配送ドライバーになろうとした人が仕事を探したとき、いつ休んでもいい、いつ稼働してもいい、いつ届けてもいい、というようなフリーランス擬きの軽貨物ドライバーをターゲットにしている文言を鵜呑みにし、流行り廃りの仕事案件に乗っかってしまって実際に働いてみたら労働内容や稼ぎに隔たりや違和感があるなどで数ヶ月も満たないでその案件の仕事を辞める人が多いと聞きます。よくありません。
軽貨物配送ドライバー募集をする業者の中には、配送ドライバーの人材集めで、祝い金やキャンペーンと題して参加ドライバーに小銭をばら撒いている会社や案件も見受けますが、その小銭にまんまと群がってしまい、実際に働いてみたら割りに合わないなど「思い違い」で請負を失敗をしたと語る軽貨物ドライバーもいる始末です。
人間ですし、隙がある気持ちも理解できますが、腰を据える社会人としては情けない話です。
軽配送の世界では配送ドライバーとしての経験が5年10年15年20年であろうとも、新しい案件現場に行けば「誰しもが若輩者」です。
長年の配送ドライバー経験者であろうとも、その新しい案件や新しい現場では実力が追いついていないので、自身の力不足を理由とし、周りの仲間や先輩に迷惑を少なからずかけることでしょう。
シフタープロの軽貨物ブログで軽貨物ドライバーの心構えが稼ぎの安定で大事であることを何度も書いていますが、才覚あって順応性が高い人ならば、どのような新しい案件でも直ぐに即戦力とり、期待され、自身のモチベーション維持にも繋がって、稼ぎは必然的に安定します。
新しい案件や新しい現場では誰しも経験が浅い状態ですし、ヤング層やミドル層やシニア層や女性男性を問わず、誰もが新しい案件の現場では「若輩者」であるということを心底認識しておく姿勢さえあれば、自分にとってだけでなく後輩や周囲にとってもミスの少ない仕事環境に近づいていくと考えます。
当然、ドライバーである前に人間ですから周りへの挨拶や愛想も大事です。また、ドライバーは人様の荷物を運ぶ仕事ですのでタバコや茶髪やヒゲやピアスやサンダルなどイメージダウンの軽貨物ドライバーは社会人として論外とされる時代です。
軽貨物配送に限ってのことではないですが、この時代、ユーチューブやSNSで人材の紹介料の小銭欲しさで個別の案件を贔屓目で紹介している情報内容を閲覧して鵜呑みにしてしまい、知ったかぶりの浅知恵だけで配送仕事をやってみたら失敗したという人が増えているようです。
教育者不在の独学では苦労する筈です。
動画とかSNSで個別の案件情報について賛否を有益であろうとも一般公開することはビジネスモラル違反とも感じてしまいますが、有益無益な情報を出す側が一方的に悪い訳でもなく、配送仕事の場合、その根本で物が売れるという供給と需要があるわけで、配送クオリティの意図も会社各々で異なりますし、また、動画は特にリアルな情報と感じとられる時代ですので、真剣に軽配送ドライバーを目指そうとする人にも誤解を招くことのないよう発信者側もメリットとデメリットの解説バランスには注意すべきと感じます。
勿論、配送の仕事とは100件配れば100個の責任が付きますので、フリーランスや副業ドライバーのような片足を突っ込んだ感じで「好きな時間に日当いくら」の稼ぎ感覚で責任感のないやっつけ配送をしてしまうと、かなりの確率で顧客クレームが荷主やメーカーに積もってしまいます。
荷主メーカー側など、物を売る商売は本当にシビアです。お客様は神様であるのは不変です。
知らなかったでは済まされないのがクレームでもあり、フリーランスであろうと副業ドライバーであろうと配送ドライバーのイージーミスでも、配送の元請けに迷惑がかかりますし、その商品のメーカーにも迷惑がかかりますし、何よりお客様には多大な迷惑がかかります。
一件のミスであろうと侮ってはいけません。
100件の配送中で1件だけ1%のクレームであろうとも、その1人にとっては100%の確率でエラーですので、丁寧に一件一件の納期を守りつつ、プロ意識を保つには勢い任せでの誤魔化し配送は一切通用しません。
動画やSNSなどの偏った情報で知恵をつけると「正しいであろう」という先入観ができあがってしまいます。インターネットでのバーチャルな情報収集には良し悪しがあることを認識しておく必要があります。
一般常識ある社会人の場合、自分が選んだ会社に就職する際に、就職する会社のために働くことを誓うことでしょう。
そして給与を会社から貰います。お客様からではありません。上司からでもありません。会社からです。
会社のために働くことで、会社から給与を貰うのはごくごく普通のことで、自分のために仕事があるわけではありません。
自称フリーランスや個人事業主の軽貨物ドライバーの場合、この辺りの姿勢がズレている人がやや多くいますので、偏見の中、動画やSNSで個別案件を評価することも、ネットでのクチコミや動画やSNSの評判評価を鵜呑みにするのもやや危険な訳です。
なお、自分自身のために個別案件を評価公開するならば良いことですが、公の評論家ではないわけですし、企業側の雇用主や契約主として責任を持てない立場でありながら他人様へ仕事を推奨して煽ったり、個別の配送案件を評価して聞かせるのは、大袈裟でなく、聞き手側の仕事人生や家庭生活をも左右することに繋がるので、責任の取れない個別提案の提案や批評は慎重に考えるべきとなります。
誰かに仕事を強要されるわけでないならば、仕事決定は自分自身のことですから、人から言われたけど失敗したとか、勧められたけど失敗したとか、動画やSNSで見たけど失敗したとか、自己判断は人の責にできません。時間やお金の損は自分にきます。
動画やSNSでの発信者の信憑性とかではなくて「社会人として仕事のあり方」をきちんと考え、軽貨物ドライバーの仕事を先入観なく学んでいく心構えこそ、成功への近道かと思います。
実力で近道を模索して楽をする、正当に楽をできるという意味です。
何を持って成功失敗を分けることでもないですが、楽しく仕事ができることは幸せなことでしょう。
新しい仕事を始めて数日や1、2ヶ月くらいで仕事がキツイとか人間関係がキツイなどと自分の実力や勉強不足を棚に上げ、仕事環境の良し悪しを自身の思い込みで判断してしまう人も居ます。
本当に劣悪な仕事環境もあろうかと思いますが、それでもきっちりと「3ヶ月間」はフルに頑張って学び、その後、自分なりにその仕事に耐性がありそうか、その仕事への熱意を維持できそうか、率直に感じとって自分の考えを見直しするのも良いかと感じます。
ただし、この3ヶ月間はかなりプロ意識を高めて仕事を覚える必要があり、ぬくぬく育ちで仕事を覚えてしまった場合、その後も仕事の覚え方は緩いままになりがちです。若輩者こそプロ意識は大事です。
会社や他人が決める試用期間や評価ではなくて、自分で自分がスキルアップするために課題を作る際、自分自身が頑張って学んだことは、その後の課題作りで正しい根拠となってきます。
仕事をする理由は、お金を得たり、自己の成長であったり、社会貢献だったり、様々ですし、仕事と言葉で言うのは簡単なことですが「働き続ける」ということは、相応に簡単なことではありません。
配送の仕事が嫌々になったら「働き続ける」ことは大変難しいですし、お金を得たり、自己成長や願望実現の為であろうとも、身体や精神や神経への負荷も大きくなってしまいます。疲れてしまいますし、楽しくもなくなります。
みんな軽配送ドライバーは同じです。
どんな職であろとも、仕事の向き不向きをネガティヴに考えたりすることもありますし、仕事内容の希望を変えたくなったりもしますし、面倒を諦めて職を変えたくなったり、辞めたくもなります。
何だかんだ嫌になった理由も欲しくなり「思っていたより」という言い訳を言いたくなるでしょうし、自分が感じたことを正当化して正しいことと無理矢理に解釈するわけです。
ただし、仕事はやると自分で決めた以上、遊びではないので逃げずにやることが基本ですし、嫌なことにも程よく耐え、程よくスルーもし、仕事は自分で学習するだけでなく、諸先輩など関係周囲にも低姿勢で手法を学ばせてもらい、信頼もして信頼もされて、自分の担当仕事を思考錯誤しながらでも熟していけば、スキルアップは目前です。
そして、仕事はかなり楽になりますから、次の難しい仕事に挑戦できるようになります。
そう、「3ヶ月間」で自分がいる配送現場の勝手がだいぶ分かってくるでしょうし、これから自分が集中してやるべきことも見えてくる頃合いです。
仕事が楽しくなるのは、ようやく、ここからです。自分に与えられた仕事にも馴染み、不安と心配も緩和され、明るく、少なからず自信を持って出勤できるようになるでしょう。
重複しますが、個人事業主ドライバーであろうとも仕事は自分のためにあるわけではありません。配属会社のため、荷主メーカーのため、関係先のため、にあるものです。
プロ意識を高めて仕事を覚えると、当然にやりこなせること、できることが増えますから、仕事の面白さは倍増です。
ただし、仕事は慈善事業でもボランティアであってはいけません。できることはやる、できないことはやらない、このバランス感覚は会社にとっても自分にとっても重要なことです。
頑張って残業すれば褒められカッコいい訳でもなく、要領と効率の悪さを人数任せで乗り越え過ぎると、いつまでも会社にノウハウが残されません。
また、軽配送ドライバーとして社会人や仕事人としてプロ意識を掲げて、他の仲間ドライバーと切磋琢磨し、仕事没入するのも悪くはありません。
プロ根性、プロ意識、真面目に働いて稼ぐ意味は、きっとあるかと思います。