取引先の物流変革意識を見抜けるか

5年間ほど私が担当させて頂いているTC倉庫の物流現場で3PL物流会社の社員さんと会話をしていて感じたことだが人数をそこそこ抱えた運送会社や物流会社ほど変革をすべきと思われる。

大手企業や中堅会社特有の赤字経営でも食っていけるスタンスが従業員に染み付いているので会社変革の意識が薄いのは言うまでもないが、運送や物流の会社はトップダウン型の組織にも関わらず改善ごっこだけ目立つ。

改善と変革は大きく違う。

若い頃に諸先輩からも学んだ記憶があるが、変革とは過去の延長線上ではなく過去を断絶した発想でコンセプトを作り、そのコンセプトを実現するためにトップダウン型で何をどうするかを考えることから始まる、と今の時代でも私はそう捉えている。

会社経営陣や事業責任者がハングリー精神を失った会社は変革ができない。従ってボトムアップ型により現場側で改善レベルのことしかできない。

会社や事業は生き物故に新しいことを定着させたり習慣化させる変革は事業や会社の生命線になる。

しかしながら物流現場に社員は少数しかおらず公務員的な仕事っぷりをする事勿れ主義のバイト連中が多い。最悪なケースだと物流現場で働いている人間の殆どがスキマバイトの日雇い人材だったりするので悲惨である。

会社のためを想って働く意欲のある人材がいないとボトムアップ型での改善をしようと変革へのシナジーが会社内部に生まれない。

変革の実行はボトムアップ型ではないトップダウン型でワングループやワンチームで変革の必要性を共有認識していないと何も始まらない。

変革の成功は変革の意識をグループ内やチーム内で醸成をしなければならないが、その醸成で問題となるのは変革の必要性を頭では感じていても今は変革不要とか今は変革ができないと考える人間の存在である。

変革の足を引っ張る人間の心理的な障壁が変革の妨げとなってワングループやワンチームの変革に支障をきたす。

無論、人は皆同じ気持ちで仕事ができるわけでもないしお金の価値観や生活レベルも人それぞれで異なるので心理的な障壁は変革の際に少なからずあるものと認識すべきである。

トップダウン型で物流変革や運送変革を起こす際は現状の価値観や固定観念をリセットして解放できるのかを見抜いていく必要がある。

変革を起こす流れはスクラップアンドビルドのように先入観を解放して価値観をリセットしてから変革で価値の再構築で浸透を実行する感じである。

そうして新しい定着や習慣化が機能する。

もちろん変革そのものが成果ではなく変革で効果を生み出すことが成果である。答えが出ない場合には定着まで試行錯誤をしていくこととなる。

そのため誰が何をいつまでに実行するという実効策を定義しなければならず、以前の習慣をリセットできていないと新たな定着や習慣化は失敗に終わる。

以前の状態に戻ろうとする思考を持って変革に挑んではならない。それは劣化や退化を意味する。

そんな感じで変革した物流組織や運送組織の状態が当たり前のものとして根付くことが成果であり挑戦である。

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