国際物流と国内物流に関係してきた職歴で想うこと

物流は誰のためにあるのか。仕事経験の中で30年近く物流にも関連する仕事をしてきた中で海外工場へ荷物のピックアップ指図や海上コンテナ輸送や航空貨物輸送や輸入貿易では保税や通関など国際物流、デバンニングや国内在庫倉庫での入出庫や入出荷管理、北海道から沖縄まで日本全国の顧客へ商品をデイリーに出荷発送する業務なども携わってきたが倉庫業や運送業や配送ドライバーのために荷主企業の物流があるわけではない。

物流管理は荷主企業の重要課題。

国際物流と国内物流という大きな括りでの知見経験で軽貨物運送業の世界を少し斜めから客観的に見てみると軽貨物運送の業界で何を考えて何を行動すべきかは分かってくる。

365日ずっと止まらない物流の世界であることからも考えて行動することにより結果がうまく出るか出ないかは別としつつも配送実務のことだけでなく荷主企業のビジネスモデルと物流の意味を知ろうとする試みは軽貨物ドライバー業者として目標と目的の明確化につながる。

時給換算がどうとか日当換算がどうとか運賃がどうとかは後から付いてくるものである。お金の稼ぎはどうでもいいと言えばどうでもいい話である。

目標と目的の明確化は会社経営者や事業主であれば難しいテーマではないが目標と目的を明確化できている軽貨物配送の個人事業主ドライバーは数少ないと感じている。

業務請負で働く軽貨物配送ドライバーの大半が営業弱者であり多重下請け構造の末端で働いているわけだが「やった分だけ稼げる」などと配属する会社などに人参をぶら下げられて仕事を日々しているのが現実だろう。

そんな感じで軽貨物ドライバーとして明確な目標が無いまま365日ずっと止まらない物流の世界で働いてしまうと何がどう自分と周囲に起こるのか予測すらできなくなる。

そう、明確な目標が無い軽貨物ドライバーは何を実行すれば良いのかが決まっていない軽貨物ドライバーということになる。

目標と目的が明確化できていないから現行の仕事で愚痴を言ったり周囲の人間関係に不満を口にするような駄目なドライバーと化してしまう。

確かに、社員雇用されたドライバーであれば雇用された会社の目標という一定の基準や水準や思想に向かって仕事ができるため現状の業務改善を各自でしやすい。

だが業務請負ドライバーの場合はチームやグループで業務をしていても1人1人が独立した業者ドライバーであって誰かに目標や目的の教育をされたりする立場ではない。

軽貨物ドライバーのメリットだとかデメリットだとか意味のないことを語るドライバーファーストな軽貨物配送業者の存在も問題とされている。

そもそも軽貨物配送の仕事で軽貨物ドライバーにメリットやデメリットなどがあってはならない。

荷主企業に軽貨物配送がどのようにメリットがあるのか無いのかを問い続けなければならないのだ。

私も現役の軽貨物ドライバーとして配送業務を担当させてもらっているが配送業務を通じて心で意識していることは荷主企業の業績向上と業績安定につながるような裏方役となってその荷主企業の物流部門を応援やフォローを成功することである。

荷主企業の物流にも必ず目的と目標があるのは言うまでもない。

我々軽貨物ドライバー業者は荷物をきちんと集荷してきちんと届けることが仕事範囲であってそれ以上でもそれ以下でもない。

ただ荷主企業における物流の質は営業的な顧客満足度と顧客貢献度に直結するため我々は受託した配送業務を通じてその顧客満足度と顧客貢献度に邪魔をしてはならない。

  • 顧客と約束した納期の維持。
  • 商品破損劣化と汚れを防止する品質の維持。
  • 誤配送や仕分けやピッキングのミスを防止する正確性の維持。
  • 交通事故と作業事故の事故防止水準の維持。

これらを維持しながら質的水準を向上させる物流品質の改善も荷主企業では重要なテーマとなってくるが簡単そうで難しいテーマであるのも事実だ。

人材ありきだからである。

コストを下げても改善される品質、コストを上げても改善されない品質、要するにコストに見合った物流品質にするかどうかの行動と検証を繰り返すことが優先となる。

我々軽貨物ドライバーは経済の末端で仕事をしていることからも何かにつけて無駄なコストと見られるがそれでも荷主企業のために物流があるということを忘れてはいけない。

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