軽貨物運送の事業展開を準備している中で事業方針やビジネスモデルの時代変化へのフィット感を検証していると、個人事業主の軽貨物ドライバーは間違った方向に注がれているエネルギーがやたらと多いことに気がつく。
そもそもスモールビジネスである個人事業や零細企業の軽貨物運送業である以上、事業主や経営者は真剣に営業方針の向きを正しい方向で定めなければ「収入と労力とコスト」のバランス状況は改善されません。
慣れて居心地が良くなった配送案件だけを請負していたり、既存の良好な取引関係者だけの仕事をし続けていたり、そういうビジネスの甘さに縛られていては個人事業や零細企業の売上成長は踊り場で足踏みしてウロウロしてしまいますし、もちろん、現状に満足しているようでは知らぬ間に衰退は始まっています。
個人事業の運営ならば初心忘れるべからず、何事も実直に行動を続けるだけのこと。
法人の事業運営ならば事業計画書の通りに事業スピードを調整しながら事業のステージを変えていくだけのこと。
いずれにしても他人の意見を参考にするとかではなく、事業主の本人、経営者の本人、自分自身のビジネスモデルに勝算があるのかどうかです。
ビジネスモデルなど考えたことすらない業務委託の軽貨物ドライバーもいるでしょうし、事業計画書など書いたことすらないような軽貨物配送会社の経営者もいることでしょう。
それが意識のテーマです。
シフタープロ軽貨物便の運営では常日頃から意識していることですが、段階的に事業ステージを上げていく運営は中々難しいことですから、疲れてもブレずに事業展開していく心構えの維持が大切になってきます。
軽貨物配送の仕事において社員雇用ではない業務委託で働くドライバーは、1年間だとかスパンを決め、新しい配送仕事の案件もプラスアルファで挑んでおくなどでスキルアップをするべきでしょう。サブ案件よりもメイン軸にする案件ほど一定期間で切り替えていくべきと言えます。
雇用勤務の仕事ならば5年や10年とかで少しずつ結果を出していくものですが、個人事業主での自営ドライバーの場合は配送するドライバーという立場だけではない1人の事業主でもあり、同じ現場だけで長くやっていても人としての事業力の価値は一向に上がらず自身の能力はマンネリ化します。
当然、お金や特需案件に目が眩んでコロコロと仕事案件を変えたりすれば日雇いの浮遊ドライバーと化しますし、人間関係や職場環境が嫌になって現場を変えているようでは事業主としてビジョンが間抜け過ぎますが、稼働軸とする仕事はやると決めたら思い切ってスキルアップを意識する仕事っぷりをしておくと、同じ月日の仕事経験でかなり実力や底力に差がでます。
業務委託配送の仕事で稼げるのはお金だけではなく、お金を貰いながらタダでスキルも稼げるわけです。
金銭面だけで割りに合うとか合わないとか言っているレベルの業務委託ドライバーを巷では見かけますが、個人事業主ドライバーであろうと事業方針や営業方針はお金とスキルを安定成長で稼ぐ際に大事な考えとなります。
零細企業や個人事業の請負仕事など、吹けば飛び、昨日と今日は普通でも明日や明後日はどうなるか判りません。
先のことなど判らぬ一寸先は闇だということも意識し、実直に、綿密に、真面目に、真剣に、取引関係を大切にして配送業務に日々挑むべきです。
これらを引っくるめて軽貨物運送の個人事業や零細企業は、誰と付き合うか、どこと仕事をするか、が隠れざる安定成長のポイントになってきます。
ふわふわしたフリーランス軽貨物ドライバーのように目先の売上欲しさに日雇いレベルのスポット仕事をするのではなく、5ヶ年計画や中長期での事業計画書をまず作成し、成長ビジョンを固めるために取引先や関係者との友好関係を築いていかなくては本業での健康経営など遠い話です。
そんな中、俗に言うピンハネ系の軽貨物運送会社による業務委託ドライバー募集に騙されるかのように、働いた分だけしっかり稼げるという文言を鵜呑みにしまう残念な脱サラ開業ドライバーの方も少なくありません。
働いた分だけ稼げる、歩合制だから稼ぎやすい、このような働けば働いた分だけ稼げるだとか歩合制だから稼ぎやすいなどは、コンビニのアルバイトであれ、工場でのアルバイトであれ、何ら同じことです。
もちろん、一般企業の社員であれ、ノルマ営業であれ、会社経営であれ、民間企業ならば成果を出せば相応の評価を得られるのは一緒のことです。
当然、会社が要望することに貢献すれば評価されます。
会社が要望していないことを懸命に自己中心で貢献したつもりになっても評価では認められません。
仕事で愚痴や不平不満を言うレベルの人はこれを履き違えているわけで、自分の大義は社会でどうでもよく、勤務先であったり取引会社の大義が立つことをしていくべきなのです。
どんな職であろうと仕事をする意識の低さが何かと問題やクレームにもなりますが、これから新たに軽貨物配送の仕事を始める場合には怪しいキーワードは以下の通りなので、真剣に手に職を求めている人は注意すべきでしょう。
- Wワーク
- 副業
- お小遣い稼ぎ
- がっつり勤務
- ライフスタイルに合う働き方
- 運んだ分だけ稼げる仕事
- 頑張った分がそのまま形になる
プロ意識の高い人ならばこれらに騙されることは無いですが、このワードが出てくるような軽貨物の仕事話はもちろん眉唾です。
この話の裏側にあるのは、経験者などプロドライバーがやりたがらない大手ネット通販の宅配、または、大手ネットスーパーの宅配を紹介されてしまい、足元見られ、軽貨物配送会社にそのような現場に嵌められた新人ドライバーは数ヶ月で疲れておしまいです。
もう何年も前から送料無料のビジネスモデルは過当競争としてメーカー荷主側のビジネスでは崩壊しているわけですが、荷主側のビジネスモデルでの影響や取引関係の諸事情でそういった配送ニーズを薄利で受け入れている元請けの大手宅配会社もあることでしょう。
不採算なビジネスモデルの皺寄せは、下請けや孫請け、末端の業務委託ドライバー業者が担当するのは当たり前のことですが、それに営業弱者ドライバーが反発しても勝ち目はありません。
なお、ビジネスにおいて薄利は多売ができれば大成功なのですが、多売ができなければ単なる薄利、そう、赤字や不採算となるのです。
そういうメーカー荷主側のビジネスモデルの犠牲になってしまい疲弊するのが零細企業や個人事業主ドライバーというわけです。
ただ、それは誰かが請負すれば良いだけのことなのです。誰かがやらなくてはならない仕事と言えば仕事です。
嫌な話ですがそういうジョーカー的な仕事も需要と供給で成り立っているのです。自分が嫌な案件で嵌まりたくないならやらないだけのことです。目利きです。
ゴロゴロと存在する法人の軽貨物配送会社がそれをも末端の個人事業主ドライバーに黙って稼働させ、大手ネット通販やネットスーパーや出前などの配送仕事案件を右から左に横流しで扱い、元々キツイ運賃を更にそこからピンハネしてお金を儲けようとしているのも現実の話です。
勿論、事業や仕事でマージンを得るのは当然のことですし、中には真面目に地域密着して実運送している軽貨物配送会社もありますが、荷物を運ばないピンハネするだけの利用運送の軽貨物配送会社も多く存在しています。
事実、軽貨物配送の仕事をする人達はお金に苦しんでいる人の方が多いと言えますが、それは悲観することでもなく、お金に苦しむことも、お金に少し余裕を持つことも、個人事業での勝算につながる現状の理解だと思います。
シフタープロ軽貨物便ではお客様から寄せられる新規案件の受注はかなり選んでおり、金額面で仕事請負を選ぶことを基準としない反面、やる意味のない取引先と判断する仕事案件は請負をお断りしています。
やる意味こそが大事であり、それが仕事の目利きと言えます。料金が若干低くてもやる意味のある配送案件は多々存在します。
シフタープロでは最近では少なくなってしまった昔ながらの運送屋さんスタイルを大切にしたいと考えており、世間で物流への考えが代わろうともドライバー各自と荷主企業や中間業者の信頼と義理を重んじることが結果として事業が繁栄すると捉えています。
事業計画書では、簡単な目論見の絵も描け、難しい目論見の絵も描ける、それが軽貨物運送業として健康経営をしていくビジネスセンスとなります。口先だけではなく、まさに挑戦力です。