業務委託で配送の仕事をしていると「この荷主さんの会社は好きなので長く仕事を一緒にしたい」といった気持ちになることがあります。
タフでいなければ生きていけない。
私は軽貨物運送の専門ドライバー業者ですが、立場上、大型10トン車のドライバーさんや中型4トン車のドライバーさんや物流会社の関係者と交流する機会があります。
寧ろ、軽貨物の関係者より物流の関係者や荷主企業さんとの接点が多いので、多忙さの質、稼ぎの質、これらは普通の軽貨物ドライバー業者とは異なるかも知れません。
- 取引先やお客様のことを第一に考えて仕事全体をリードしていかなければ業務が捗らない。
巷のその辺の軽貨物ドライバー業者やピンハネ屋とは真逆で、担当する仕事の不平不満を言ったり、身勝手にドライバーファースト気分でああだこうだと語っているようでは仕事になりません。
荷主企業が配送業者に求める条件の中には「臨機応変」「柔軟性」があります。これに貢献してなんぼです。
何故ならば、どんな荷主企業にあろうと営業や事業には不確実性があるからです。我々はそれに反発しないで配送対応できる能力と実力を持って荷主企業のビジネスをフォローすることが基本作業なのです。
私たち軽貨物ドライバーの売上収入は荷主企業の事業計画における大切な運賃コストだからです。
しかしながら多くの荷主企業での会計で荷造り運賃はコストダウンしたい経費でもあります。時に10円であろうともです。
私は輸入貿易や国内販売の仕事に数十年間携わってきた経験からもじわりとくる運賃コストの影響は身に染みてわかりますが、その運賃は商品の営業力や販売競争力に関わるので「無意味な人に払う運賃」は絶対的に避けたいのです。意味のある配送業者に適正な価格で配送の仕事を任せたいのです。
それにも関わらず、その辺の間抜けな考えを持つ軽貨物ドライバーは高単価で楽な案件を求めて自身の実力に見合わない収入の高望みをし、事業や営業や経済の勉強もせず、口を開けてピーチクパーチクと文句を言いながらその場凌ぎの配送業務を末端で待ち構え、それを繰り返しているのが現実です。
また、真面目な姿勢で一生懸命に配送の仕事をすることと荷主企業への貢献度は全くの別物です。
役割と役目の世界をきちんと把握して安定的に仕事を進めて安定性ある稼ぎを完成させていくべきとなるのです。
さて、私個人は業務請負による宅配便の仕事が嫌いなので非宅配便の軽貨物配送に関する仕事を専門としておりますが、それはそれでそれなりに頭で覚えることと身体で覚えることが多くあります。
私のように職歴で荷主の立場で国際的な物流や海上輸送や航空輸送や輸入通関などの貿易業務にも数十年間携わってきた軽貨物ドライバー業者は数少ないと思われますが、軽配送レベルのことだけではなく国内外の物流やモノの動きについても知識が頭に入っていなければ自らの事業計画の達成においても自らが通用しません。
今般、法人の軽貨物配送会社における経営陣はどこかの宅配ドライバー上がりだったり、元ドライバーみたいな感じの人達が大半です。現役ドライバーとしてきちんと配送の実務をやっている経営陣の会社はあまりなく、多くの軽貨物配送会社の運営者は既に技能も知識も仕事耐性の感覚も錆びれているわけです。
軽貨物ドライバーとは異なり、大型ドライバーさんや中型ドライバーさんはフリーランスの軽貨物ドライバーのような乗用車を運転する意識で仕事をしません。
確かにトラックドライバーは高齢化が進んでいるのも事実ですが、大型や中型のドライバーさんは働くことへの真面目さが違います。軽貨物ドライバーのように自分勝手ではありません。
中型トラックは主にスーパーやコンビニ、飲食店、宅配便など、大型トラックは手に倉庫間輸送、工場間輸送といった業務内容ですが、軽貨物配送のドライバーとは異なり運転のプロであることも求められます。
ただ、中型トラックのドライバーさんや大型トラックのドライバーさんは運送会社に雇用が守られているので会社への忠誠心を求められることからも会社ぶら下がりの感覚がどうしても見受けられますが、反面、会社に迷惑を掛けられないという社会人として基本中のキホンが身についているわけです。
とは言え、荷主企業からの発注が無ければ運送や配送の事業は成り立たない仕事です。業務委託化についても賛否がありますが、正社員ドライバーのあり方も問い直されている面があります。
社員ドライバーであれ、委託ドライバーであれ、優秀なドライバー業者は指示内容に沿って決められた商品を決められた数だけ納品して作業を終了させることが自然にできる人です。
報告、連絡、相談、言葉使い、身嗜み、これらができなければ割りの良い仕事など担当できる筈もありません。