軽貨物運送業ドライバーに仕事丸投げが目立つネットスーパーの商品配送ビジネスモデル。もう今の時代は既に崩壊しているビジネスモデルであろう。
軽貨物の仕事を通じて、アナログ感覚か、デジタル感覚か、バランス感覚か。仕事のあり方を考えながら、全国に考えを発信しつつ、日々業務しております。
もう、15年以上前、軽貨物の仕事とは違う事業経験での話ですが、インターネット通販ではなく、インターネット自体の普及が進もうとしていた時代、零細ベンチャー企業の取り組みとして、当時、私が描いていたビジネスモデルを中小企業総合事業団(現在の中小機構)の国際フォーラムでパネルディスカッションする機会がありました。そう、零細ベンチャーのSCMについてです。
資金力さえも乏しい零細ベンチャーが「どうやって」ビジネスチャンスを掴むのか。日本経済の中で自分たちの立ち位置はどうなるのか。どうするのか。どうしたいのか。
今のようにネットで情報が溢れていない状況下、戦略を練っても挑戦でしかない事業。中長期で自分たちのビジネスは、ハードとソフトをどうやって仕組み、どのように完成できるのか。
なかなか、やりがいのあるテーマでした。
実は、今日の軽貨物業界があるのは、当時に大企業により考えられてきた「SCM」の延長線上でしかないことでしょう。
インターネットネットの普及ではなくて、IT革命により、売り手と買い手、様々な「商売」の変化要因あって、今日の軽貨物配送があることを考えましょう。
軽ドライバーがSCMと聞いてもわからないかも知れません。会社の名前?と思う軽貨物ドライバーも多いことでしょう。無論、そうではありませんが、軽配送ドライバーも関係しているSCM。
私は20年ほど前からSCMという手法に興味を持ってます。サプライ・チェーン・マネジメントと言います。
ドライバーしかり、サラリーマンや雇用される側の人にはやや無縁かも知れませんが、実は仕事をマクロ経済でみたとき、軽貨物業界や軽貨物請負の自営業者も深く関係してくるテーマなんです。
私は荷主の立場で仕事が長かったため、今でも全国に向けて高効率な仕事を進めたいとき、悩む時、これを進め方の基本としてます。
軽貨物運送業も自営業の経営ですから、頭の中でビジネスの流れを把握しから、荷を運ぶと良いです。
日当が安いとか、そういう目先のレベルではなくて、毎日こなしている配達1つ1つにSCMが絡んでいるわけです。
もちろん、SCMが良い悪いではなく、ビジネスとしての論ですからこれを正しく認識すると営業や自分の価値をはっきりできるでしょう。
荷主やメーカーのような供給業者からお客様即ち最終消費者までの軽貨物業界の流れを統合的に見直しします。そしてプロセス全体の効率化と最適化を実現するための自営や経営を管理する手法です。
SCMという言葉の歴史は割愛しますが、ビジネスの流れである「開発、調達、製造、発送、販売」といったプロセスでの在庫量や滞留時間などを削減して、お客様、顧客に最短でタイムリーに製品を供給するといったことです。
零細企業ではなかなか難しい内容です。もちろん、お金もかかります。
この結果、自らサービスの向上を狙い、その業界全体として在庫の縮小とか会社に設備稼働率向上でコスト削減し、自営や経営の効率化を目指せるという論です。
POSや営業報告や販売受注実績から需要予測をして、発注、生産、出荷物流、販売計画を最適化できます。
そうしてから「生産、購買、物流」を実施する流れです。
もちろん、経営資源の乏しい零細ベンチャーでは導入できませんが、世界的に大企業は真面目にSCMを研究されているので、その末端を担う、軽貨物運送業ドライバーも学んでみると面白い結果がでると思います。
軽配送の仕事は、インターネット通販が盛んになったことで軽貨物仕事が増えたのではありません。SCMの成果なんです。
私は当初のSCMに携わりましたが、20年ほど前から進んだIT革命でSCMの進化、物流業界、今日の軽配送にも変化をもたらしたわけです。