欧米の生産工場との貿易で国際物流の実務を20年間ほど経験してきたこともあって今でも街中で20フィートや40フィートの海上コンテナ輸送トラックを見かけると妙に忙しい気分を想像してしまう。
若い頃から海上輸送や航空輸送での貿易実務に仕事で携わってきたが、通関書類、関税消費税やBLやインボイスやパッキングリストや原産地証明や乙仲との打ち合わせ等々も今では懐かしい業務の一つ。
乙仲は立場的に通関業務のプロと言えるが通関業者の人任せではスケジュールが人的で思い通りにならないのが国際物流や輸入貿易の実態であろう。
当然ながら欧米とは通貨も商習慣も異なるので国際物流の癖でもあるが計画通りではないイレギュラーな出来事はちょくちょく起こる。
何事も計画通りにはいかないと想定しておくことが大事。
乙仲の担当者もあまり当てにはならない。船会社からアライバルノーティスが届いてギリギリになって輸入書類の再確認を適当にするので書類不備の有無なども人任せにしていると結局は自分にその物流イレギュラーが降りかかってくる。
日本のビジネスではあまり使わないがカレンダーウィークの読み間違えや勘違い一つでバタバタと計画の変更となったり、通関が1日遅れるだけでもドレージ業者やデバンニングの計画も狂い、国内倉庫の入荷や入庫も出荷や出庫も、そして納期も売上も全部がずれ込んでいくことになる。
とは言え、商品や製品のお客様に出荷納期の計画ミスで迷惑をかけるわけはいかないのでコンテナの入港曜日が悪ければ臨時開庁でギリギリな業務をしたりなども日常茶飯事。
こういったプロセスは台数規模をアピールする名のあるご立派な軽貨物会社でも素人で無知な物流ノウハウだが、同じ物流の世界でその末端に位置する軽貨物ドライバーの業務は国際物流の業務とは視点も重みも全く違う。
荷主企業のビジネスがどうやって動くのか、荷主企業のビジネスモデルはどういった思想なのか、ラストワンマイルがああだこうだ口で言うだけではなく本来ならば軽貨物ドライバー業者はそういうことを考えながら配送業務に挑むべきだろう。