報告と連絡と相談ができない人は軽貨物ドライバーになる資格は無い。報告と連絡と相談ができることが軽貨物ドライバーになれる条件である。報告と連絡と相談をタイミングよくできる能力こそ軽貨物ドライバーの実力とも言えます。
配送の仕事は私たち軽貨物ドライバーのためにあるものではありません。
厳密に言えば、軽貨物ドライバーが運び届ける荷物によって、輸送ドライバー、運送ドライバー、配送ドライバー、という異なった仕事センスで業務をするわけですが、軽貨物ドライバーが請負する仕事の多くは「配送ドライバー」としての業務だと意識するとよいでしょう。
私たち業務請負の軽貨物ドライバーが輸送や運送や配送をしているモノは、メーカーや荷主企業によってモノが研究開発され、モノが生産され、モノが保管され、モノが営業され、モノが売られ、モノが買われ、そしてモノは消費者や荷受け人に届けられる流れと言えます。
そして、モノは届けられて、はいおしまい、ではありません。
顧客などの荷受け人に届けられたモノは、使用され、消費され、そしてその後も荷主企業やメーカーによってアフターサポートされます。
確かに私たち軽貨物ドライバーの役割はモノを運び届けること以上でもそれ以下でもありません。
ただし、荷主企業の事業の中で発生する配送ニーズで仕事をさせて頂いているということも忘れてはいけません。
ドライバーファーストなど根本的にあり得ないわけです。
無論、軽貨物配送の仕事はボランティアではありません。きちんと荷物を運び届けた業務の対価としてドライバーはお金を頂く仕事であり、ドライバーは発注者に指図された通りにモノを運び届けるだけのことです。
もちろん、配送の仕事を無理に難しく考える必要は何一つとありませんが、経営戦略のこと、事業戦略のこと、ビジネス的なことに関して多くの軽貨物ドライバーが無知であったり見識がなかったりと思われます。
これはこれで少し恥ずかしいことです。
配送ニーズはかなり細分化され始めている時代ですから、軽貨物ドライバーも一般企業の従業員などと同様に経営や事業についても学んでおかなくてはならないシーンが増えています。
その中でも配送ドライバーの場合、特に運送費に関してだけはきちんと頭の中で意味合いを理解しておくべきとなります。
軽貨物ドライバーはモノを作る企業の事業内における「4つのどれかの運送費」のコストで働いています。
千葉県のシフタープロ軽貨物便のように考えられた配送を検証する軽貨物配送業者は日本全国でも随一とは思われますが、軽貨物ドライバーの仕事自体、特段の知力を持たずとも、身体を動かした労働だけでお金やスキルを稼ぐことも十分可能です。
ただし、そのような知力の弱い営業弱者ドライバーのままでは、我が国の景気にふわふわと収入が左右されてしまったり、特需に踊らされてしまったりなど、仕事請負で肝心な「自分にマッチした美味しい案件」を自分の手に入れることはなかなかできません。
早朝の配送、日中の配送、夜間の配送、深夜の配送、それぞれの配送スキルと耐性をきちんと身につけ、荷主企業の事業計画や配送ニーズの意図やビジネスモデルを理解できる知力をつけ、それを踏まえ、自分が業務請負するべき案件を検討開始していくことが王道です。
資格も大事ですが実践あるのみが現実であるものの、仕事をマスターしていない状態でも仕事には責任が平等にあります。ビギナーも経験者も問わずに自己責任と実力で勝負して勝算を図ることになります。
自分がやり始めた案件について、仕事への感謝を忘れて愚痴を口に出したり、案件に慣れて不平不満を口に出したり、そういうビジネスセンスが半端な軽貨物ドライバーは一歩間違えれば直ぐに仕事を切られ、不安定なフリーランス軽貨物ドライバーのように浮遊ドライバーと化します。
冗談抜きで、零細企業ドライバーや個人事業主ドライバーの仕事など一寸先は闇です。
最低限、自分の仕事を守る意味でも私たち軽貨物ドライバーの稼ぎの源である運送費に関しては丁寧に学んでおくべきとなります。
荷主企業の事業計画で、販売費及び一般管理費に含めるべき運送費は、荷造発送費、配送費、運賃、と意味合いを少し変えて考えるのが通例です。
もちろん、運送費は会社の会計上で販売費及び一般管理費に含められる場合とそうでない場合もあります。
これらは頭の片隅で軽く理解してしておくべきことですが、自分が担当している配送案件の運送費は荷主企業においてどういった会計仕分けで捉えられているのかを分かっておくべきなのです。
どういう運送費なのかということですが、運送費は大別すると4つあると考えます。
- 仕入のときの運送費
- 製造のときの運送費
- 販売のときの運送費
- 管理のときの運送費
仕入のときの運送費。
荷主企業が原材料や商品などを仕入れる際にコストになる運送費です。原材料や商品の仕入代金の一部とされます。購入した原材料や商品を自社工場や物流倉庫などの保管場所へ納入する運送費も棚卸資産の購入対価に係る附随費用として取得原価に含めます。私たち軽貨物ドライバーの中でこの仕事に関係しているケースもあります。
製造のときの運送費。
商品の製造過程で原材料や仕掛品を工場間で移動させるときに発生する運送費です。製造経費として製造原価に含められます。荷主企業の期末で未販売のままならば棚卸資産として荷主企業の貸借対照表上では翌期に繰り越されるコストであり、翌期以降に販売された時点で売上原価として費用処理されます。
販売のときの運送費。
お客様など得意先へ販売する商品、商品の仕向け地等への運送費は荷主企業だけでなく販売会社が負担する場合もあります。これは荷造発送費です。荷造に係る梱包資材費、外注費等の費用、発送に係るガソリン代、運送業者等へ支払う運送料等のコストです。軽貨物ドライバーの仕事の多くはこれかも知れません。
管理のときの運送費。
商品などを物流倉庫間で配送する場合、営業所や本社と支店へ書類等の送付などで生じる運送費です。運送が発生した時点の費用として販売費及び一般管理費に含めて会計で費用処理されます。これも、軽貨物配送ドライバーの仕事案件で意外に多く関わっています。
経済構造での末端の位置で働く軽貨物ドライバーですから、単純な思考で忙しく仕事をし続けても、何かが物足りないまま、時は過ぎてしまいます。
時間は大切です。多忙に流されるとあっという間に歳をとります。勿体無いです。
個人事業主の軽貨物ドライバーは運送費を理解した報連相が仕事上でできているのか問うべきです。
配送の現場では報告と連絡と相談がルーティンワークに組み込まれている場合もありますが、それはただ単にという訳ではなく、荷主企業における事業計画の中で仕事をしている重要なことでもあり、それを知っておかなくては上手にお金とスキルを稼げないわけです。
尚、軽貨物配送における報連相の目的は組織やグループやチーム内での連携を強化するためです。
外注業者ドライバーであれ、組織の一員である以上、すべてを単独で完結できる仕事など一つとしてありません。
軽貨物配送の仕事組織では同じミッションを持った人が必ず存在(需要と供給)しますので、荷主企業や中間業者など周囲と情報共有と意思疎通ができていれば、問題が起こった際の対応もスムーズとなります。
軽貨物ドライバーは報連相を徹底することが自分と周囲が仕事で成果を結果を出せる近道なのです。