本気で軽貨物運送業ドライバーの仕事を考えながら毎日の配送業務を多忙にこなしている配送業者が「遠く」に見ているもの、集団心理に撒き込まれずに先を見据える動きとは。
ハッキリ言って「本気」で軽貨物運送業の仕事を考えながら個人事業主での自営や会社法人での経営に取り組めば「成功は容易いこと」と考えられます。
軽配送に関するプロ意識を持っている限り、個々の軽配送案件で簡単な仕事など一つも存在しないわけですが、軽貨物運送の事業自体は決して複雑なものではありません。
業務委託で働く軽貨物ドライバーは「自分の本気とは何か」を考え直してみることで、色々と仕事をプラス作用につなげられると私は考えます。
景気に左右されず、特需に踊らず、信頼関係を重んじる動き方と営業地盤や受注地盤を固めていく手法、能力あっても無礼のない仕事センスを本気で身に付けるべきです。
楽しく仕事をし、自薦他薦で評価を受け、周囲に期待されることは大変に地道な作業ですが、嫌々不平不満を口にするより、やる価値が大いにあります。
ヤング層など年齢が20代や30代の軽貨物ドライバーさんは社会経験の年数的にまだまだガムシャラでも良いと感じますが、ミドル層やシニア層の現役ドライバーさんの場合、本気度を自分に問うことによって仕事人生で最後の進化を目指したいところです。
軽貨物運送業は無理や背伸びをする必要はない職だと思いますし、身の丈に合った仕事っぷりさえ真面目にできればそれは幸せなことだと千葉県の軽貨物シフタープロでは考えています。
しかし、街中を軽貨物車で走っている業務請負の軽貨物ドライバーの多くは、自分にとっての「成功」が何なのか分かっていない人が異様に多くいると感じます。
そもそも、物流は365日24時間、止まることはありません。
その止まらない物流の中で仕事を進める軽貨物配送ドライバーですので、勢い任せで失敗経験を無駄に流してしまうケースもあります。
そう、立ち止まってはいられない仕事なので自分の成功も見失う状態となりやすいです。
結局、どうにかできている、どうにか仕事がある、どうにか収入がある、そして、ああでもないこうでもないと「不満」を持っている状態に陥ります。
業務委託の軽貨物ドライバーも一般企業の仕事と同じように、成功と不満のギャップが「期待外れ」を引き起こします。いや、期待外れが「成功と不満のギャップ」を生んでいるわけです。
仕事ならばギャップはまだ許されますが、事業ではギャップそのものが事業停滞を招くので危険です。
思い違いのギャップが事業の自信や勢いを無くし、事業そのものが周りの意見や雰囲気に流されやすくなってしまうわけです。
昔、20代前半の頃、中小企業総合事業団(現在の独立行政法人中小企業基盤整備機構)から機構主催のビジネスフォーラムへビジネスモデルの講演依頼を受けた際、行政の次長さんや課長さんと打ち合わせをする中で私に対して次長さんが雑談風に「晩酌でワインを飲みながら自作ウキを作っていて感じたけれど、起業家は熱意や戦略や戦術のハートをどんなときもニュートラルに戻せる位置をキープした事業展開ができると最高だね」という会話で私にアドバイスを頂いた内容が数十年経った今でも脳裏に焼き付いています。
配送とは違う仕事の世界ですが、人1人の事業計画、人1人で販売チャネルを全国で構築し、数百人規模のスタッフを持つ競合他社の広域販売網と商売上で戦いながら競合会社が抱えている北海道から沖縄の有力な販売網の牙城を一つ一つ崩していく事業展開や仕事展開の楽しくて堪りません。
事業ですので結局は常に自分との戦いが勝負となりますが、私自身も若い頃には持ち併せていた、精神のストレス、神経のストレス、体力のストレス、もバーンアウト寸前の状態です。
ヒト、モノ、カネ、情報、これらを潤沢に持たない零細企業や個人事業主は自分の中で何かを犠牲にしない限り、日本全国で「何かの頂点」に立つことはできないでしょう。
ミドル層やシニア層の軽貨物ドライバーを奮いたたせるのは「本気さ」と「エゴさ」だと思います。
正直、1人の軽貨物ドライバーが働いて稼げるお金の量など知れた話です。1日は24時間しかありません。
24時間で何を稼げるのかです。きちんとスキルを稼げるのか、きちんと人脈を稼げるのか、きちんと信頼を稼げるのか、きちんと仕事の楽しさを稼げるのか。
もちろんのこと、軽貨物ドライバーの職でもエゴは経験と年齢を重ねれば自分自身の仕事っぷりを前進するための原動力になってくれます。
しかし当然、諸刃の剣、エゴは必要以上に肥大化すると、周囲の人まで犠牲にして自分を優先するようになっていきます。
経験や年齢を問わず、実力以上に認められたいという欲求はキープしなくてはいけません。
業務委託の軽貨物ドライバーにありがちですが、事業上で行き過ぎた優越感や思い上がりに支配されると、個人事業や零細企業は健康経営ができなくなります。
そう、経営資源は「カネとヒト」しかありません。