法人の軽貨物運送会社や自営業の軽貨物ドライバーに格付け信用度は無に等しいので潤沢な事業資金を銀行融資で引き出せないからこそ健康経営は維持される。
無借金経営を良しとすべき。
零細な法人の軽貨物配送会社や個人の軽貨物ドライバー業者は無借金経営が実現すると支払いや返済を意識した運営や経営を続ける必要がなくなるので気持ちは夢の無借金経営と言えるだろう。
しかしながら運送業界で営業弱者である個人事業主ドライバーや軽貨物配送会社の経営者は単に与えられた仕事をこなすだけでは事業発展がない。
その辺の軽貨物配送会社のように馬鹿みたいに委託ドライバーを募集して金儲けに走るのではなくて事業主や経営者は能動的に自分や自社の課題を発見していくセンスが営業基盤固めでも求められる。
頑張れがいいってもんではない。
こういったことは一般企業の自営や経営では当たり前のことではあるがそれすらできていない個人事業主のドライバーや軽貨物配送会社の経営者が多いだろう。
まして経済の川下での底辺で働く軽貨物運送業であってこれまで以上に頑張る意気込みだけでは勝ち抜けない。
無茶をせずに細々と生き残ることはできても50代や60代のクソジジイとなって単に歳をとるだけだろうし、仕事人生で自己成長を続けるには価値観を捨て去ることが重要であり軽貨物運送業も例外ではない。
軽貨物ドライバーの職務で重要なのは与えられた仕事を着実にこなす価値観とスキルであるのは事実だが、荷主企業のビジネスに貢献度を高めるには答えのない課題など能動的に物流課題を発見する価値観とスキルとなる。
要するに答えのない物流課題を能動的に発見する価値観とスキルが自営や経営の利益を確かなものにしていくと私は考える。
もちろん一般的な企業では利益を伸ばしている会社では借金は減るどころか借金が増えていくのが普通であろう。
利益を伸ばすには運転資金と設備資金を投入する必要があるからで資金を借金で調達できなければ事業を前へと動かすことができない。
それは借金の質ではあるが利益を伸ばすために借金は必要だがそれは売上を伸ばすためではないのだ。事業の借金は利益を伸ばすためでなければならない。
自営や経営の実力不足で事業が苦しいから借金をするような言い訳の状態では先々の苦境も見えている。稼ぐ能力や儲ける能力そのものがないのだ。甘くはない。
本質は利益を伸ばす理由があるのか利益を伸ばす理由は何かであろう。仕事は食っていくためではあるが事業や経営はそういうことではない。
ただし無借金経営が実現しても帳簿上で黒字を叩き出せば問答無用で利益は税金で納めることとなるし、無借金経営を目指して人一倍に努力して寝る間を惜しんで仕事をしながら利益を出しても支払いの資金や返済の資金が不足すれば黒字倒産となる。
それらを考えながら身体と精神と神経のストレス負荷を耐性限界まで掛けることなくキャッシュフローがプラスになっていく働き方を心掛ければ黒字倒産も回避できる。
究極は背伸びをせずにダイナミックな事業展開を行うイメージを持つこととなり、裏側にあるのは零細企業や個人事業主に隠れざる事業リスクがどこにあるのかの理解と認識となる。
軽貨物運送業は仕事上で派手な失敗や問題を起こしたりお金の失敗を起こさない限り事業規模は小さければ小さいほど事業は成り立つ環境であり儲けはなくとも赤字には陥らない。
儲かりにくいが稼ぎやすいので成長期にある軽貨物配送会社は急激な売上げの伸びにともなって売掛金や買掛金も膨らむため帳簿上では黒字であろうと資金繰りが追い付かずに倒産する事例も運送業では珍しくない。
お金を見てニヤニヤするのが世の中の経営であってそれはそれで間違っていない。借金ができるのは安全な会社で借金ができない会社は安全ではない会社という考えも正論と言える。だがしかし質の悪い借金は無いに越したことはない。
何事も費用対効果をきちんと見抜けばいいのだ。
物流の世界でも安心感や安全感による健全性の物差しをクライアントが持っている限り、安心や安全を何で誇張したり何で担保したり安心や安全を妥協するのに何を引き換えにすべきかは考えるべきとなる。
個人ではなく軽貨物運送業の法人ならば決算上での当座比率と流動比率と自己資本比率でざっくりと信用度の安全は見ることができる。信用格付けが決められる要素は定性評価が20パーセントで定量評価が80パーセントという割合が目安になるが個人事業となるとなかなかその評価は難しい。
法人経営ではない個人事業のスモールビジネスは経営者の経歴であったりビジョンや取り扱いサービスの優位性といった経営の数値に表れない要素が最重要。法人のように経営者は現実的に誰でもいいという感覚では通用しない。
軽貨物運送業の仕事はやった分だけ稼げるのではなくやった分しか稼げない。とは言え、業務不履行や契約不履行をせずに働く社会人として約束を守って仕事を熟せば贅沢や投資やギャンブルをしない限り新たな赤字になることは稀。
仕事が順調であれば借金をしてまで事業を大きくする必要もないわけだが資金が無いのに軽貨物車の新車購入ローンの借金をすればその時点で事業が大きくならない厄介な十字架の借金を背負うことなる。
軽貨物運送業は多忙故に知らぬ間にジリ貧となり予定外と想定外とアンラッキーの発生が重なることで自営や経営の雲行きが怪しくなっていることを早期に気がつけないパターンも考えられ、運転資金が苦しくなってああだこうだと自らの事業や経営を過大評価して銀行融資に手を出すパターンも大失敗に繋がる。
何故ならば軽貨物運送の業者など街中に腐るほどあるからである。
そんなことよりも無借金経営と実質無借金経営の在り方や自己資本比率の在り方を個人事業や零細会社の動きにフィットさせながら一つ一つの取引による信頼とお金を同時に稼ぐ実直な実績作りが健康経営の近道だろう。
無借金経営の会社であっても事業負債が全く無いことは稀ではあるがハッキリ言って軽貨物運送業に信用は要らない。潤沢な資金がなくとも信頼さえあれば十分だと捉えている。
時代的には格付けに基づく融資から事業性評価に基づく融資へと変化していることからも決算書の赤字黒字といった数字ではなく事業内容や成長可能性を評価されやすくなってはいる。
だがその反面、利益が生まれていない赤字状態が何年も続いている会社は近いうちに倒産する可能性が極めて高い状態だと厳しく切り捨てられる。