軽貨物の冷凍冷蔵車を整備点検するタイミング

軽貨物の冷凍冷蔵車で配送の仕事をしている半数以上の業務請負ドライバーが車両の整備メンテナンスをかなり怠っているというリスキーな現実。

軽貨物の冷凍冷蔵車は故障させやすい。

軽貨物の冷凍冷蔵車は一般的な軽トラックの装置に加え、冷却するための装置と荷室コンテナが取り付けられています。

軽貨物の冷凍冷蔵車には低温車(-30℃など)や中温車(-5℃など)や冷蔵車(10℃以下など)といった種類がありますが、冷却能力は別とし、保温保冷性能に関しては荷室コンテナ部の壁と天井と床に使用されている断熱材の種類によって熱伝導率が異なり、断熱材の厚みによっても荷室コンテナの断熱性は異なります。

とは言え、冷凍冷蔵車の庫内断熱性を根本的に考えると使用されている断熱材の熱伝導率などの数値や冷却装置の性能を意識するより大事なことがあり、それは荷室コンテナ全体の気密性です。

ドレン部分や荷室コンテナ扉の気密性の良し悪しで熱ロスがあるため、扉の締まりが悪い車両やドアパッキンの劣化で気密性の確保が悪い冷凍冷蔵車は保温保冷の省エネ性能が最悪なのです。

それは新車の冷凍冷蔵車であろうとも荷室の気密性が確保できていなければ冷却装置が新品であろうと扉を開けたままの家庭用冷蔵庫の中が全く冷えないのと一緒の状態です。

そもそも冷凍冷蔵車の庫内は湿気や荷物からの結露で汚れやすいこともあって定期的に庫内の清掃が必要ですが、その際にドレンの洗浄やドレンの破損有無の確認なども定期的に行うのが運転ドライバーの基本で、更にエバポレータの異常有無の目視確認や異音のチェック、サイトグラスからの冷媒ガス気泡状態の目視確認なども運転ドライバーとして大切な作業の一つと言えます。

走行中、冷却装置が故障すれば場合によって積んだ荷物は商品価値を失い、数万円、数十万円、何百万円もの損失につながってしまいます。

宅配便や出前みたいな軽バンでの単純な常温輸送レベルとは異なり、冷凍冷蔵車に乗る配送ドライバーは輸送中に混在する別々の荷物の品質を全て維持するため、荷崩れ防止の対策だけでなく、庫内への荷物の積み方や配置にも工夫が必要だったりします。

強い冷風をガンガンと葉物野菜などの商品に直接当ててしまうと商品が直ぐに傷んでしまうケースもあったりします。

冷蔵輸送の仕事では無理矢理に例の如く過積載気味で荷物を積み込んでしまうケースやそれを強いられることも多々ありますが、過積載気味で知らぬ間に冷却装置に負荷をかけ続け、多忙ゆえに車をメンテナンスせずに仕事を続けていると車両と装置の故障を人的に招きます。整備不良です。

もちろん、車の整備工場に整備を丸投げして人任せにしているようでは業務請負ドライバーとしていざと言うときに責任が取れなくなります。

軽貨物ドライバーにとって軽貨物車は自分の商売道具です。

車に詳しくないから車の調子の悪さを知らなかったは通用しません。

プロ業者の軽貨物ドライバーとして冷蔵冷凍車に乗る場合は特に、車両整備を丸投げで整備屋任せにせず、自分自身でも整備メンテナンスをすることによって異変や異常を少しでも早く察知することもドライバーとして大事な技術です。

これらは優秀な軽貨物ドライバー業者としては些細で当たり前のことですが「仕事を守り、仕事を離さない」ための大切な心構えでもあります。

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